遠距離介護、親への連絡は週に何回がいい?続く頻度の決め方
遠距離介護で親に何回連絡すればいいのか。正解の回数は決まっていないため、毎日・週1回・月1回の3つの層に分けて、続けられる頻度を決める手順をまとめます。
目次
この記事の要点
- 決まった「正解の回数」は見つからない
- 毎日のひとこと、週1回の会話、月1回の点検に分ける
- 親に聞き、家族で分け、1か月試して見直す
離れて暮らす親の介護を考え始めると、「連絡は週に何回すればいいのか」が気になります。多すぎれば親がうっとうしく感じるかもしれず、少なすぎれば異変に気づけないかもしれません。周りに聞いても、家庭ごとに答えが違います。
この記事では、まず「正解の回数」が決まっていない理由を整理し、そのうえで連絡を3つの層に分けて、自分の家で続けられる頻度を決める手順を紹介します。結論は、回数を競うのではなく、短い接点と長い会話を分けて「途切れない形」をつくることです。
「正解の頻度」は決まっていない
遠距離介護の連絡頻度について、「週に◯回」と決めた公的な基準は、この記事を書くために調べた範囲では見つかりませんでした。民間の記事や調査では「週1回以上が理想」という声が多いものの、親の状態、暮らし、家族の都合で適切な回数は変わるため、一律の数字を当てはめることはできません。
大切なのは、回数そのものより「変化に気づけるか」と「続けられるか」の2つです。毎日電話しても、話題が体調の確認ばかりなら親は疲れてしまいます。月に1回しか話せなくても、その1回で暮らしの様子をしっかり見られれば、気づけることもあります。
連絡を3つの層に分ける
「週に何回」と1つの数字で考えると、忙しい週に守れず、罪悪感だけが残ります。おすすめは、連絡を役割の違う3つの層に分けて考えることです。
| 層 | 目的 |
|---|---|
| 毎日 | 途切れない安心 |
| 週に1回 | 気持ちの共有 |
| 月に1回 | 暮らしの点検 |
毎日は、短いひとこと
毎日の層の目的は、話の中身ではなく「今日も連絡がついた」ことの確認です。「おはよう、今日は寒いね」「夕飯食べた?」のような数分で十分です。返事が一言でも、返ってくること自体が情報になります。
週に1回は、ゆっくり会話する
週1回の層では、時間を取って気持ちを聞きます。曜日と時間を決めると、親も待てるようになります。体調や物忘れを確かめるより、「最近おもしろかったこと」「近所のこと」のように、親が話し手になれる話題を選ぶと会話が続きます。
月に1回は、暮らしを点検する
月1回の層は、電話だけでは見えにくい暮らしの点検です。薬の残り、冷蔵庫の中、郵便物、固定電話の留守電など、見ておきたいことが挙げられます。帰省できるならそのときに、難しければテレビ電話で部屋を少し映してもらう形でも構いません。帰省の短い滞在で見るものは、年末に帰省したら、実家の何を見る?にまとめています。
負担になる連絡の落とし穴
頻度を上げるほど安心できる、とは限りません。続かなくなる原因は、たいてい次の3つです。
- 質問攻めになる:体調、食事、薬を続けて聞くと、連絡が点検に感じられ、親の返事が短くなります
- 家族の都合に合わせる:「手が空いたときにかける」では、忙しい週に連絡が空きます。時間を決めておくほうが続きます
- 1人で全部抱える:きょうだいや配偶者がいるのに、連絡係が1人に偏ると、その人の負担が限界に達します
ひとつ当てはまるだけでも、頻度を上げる前に、連絡の形を変えるタイミングです。親が電話に出ないときの確認の順番は、親が電話に出ない。心配なときに確認する順番で整理しています。
家族以外の目を足す
連絡を増やすだけでは、家族の負担が増えるばかりです。距離があるぶん、家族以外の目を足しておくと、連絡の間隔があいても安心が保てます。
窓口になるのは、実家の担当の地域包括支援センターです。厚生労働省は、地域包括支援センターを、市町村が設置する地域包括ケアの中核機関として、高齢者の総合相談や権利擁護、介護予防などを担うと説明しています(厚生労働省「地域包括支援センターの概要」)。
すでにケアマネジャーがついているなら、連絡手段を伝えておき、親の様子が変わったら連絡をもらえるようにしておけます。ケアマネジャーとの付き合い方は、ケアマネジャーは変えられる?も参考にしてください。
物忘れや同じ話の繰り返しが気になるときは、厚生労働省の認知症施策のページに、気づきのヒントをまとめた冊子と、相談先の案内があります(厚生労働省「認知症施策」)。気になる変化があれば、かかりつけ医や地域包括支援センターにご相談ください。
頻度を決める4つの手順
回数は、次の順番で決めると、家族の間で揉めにくくなります。
-
親に聞く
「どのくらいの連絡なら、負担に感じない?」と、親の気持ちを最初に聞きます。毎日がいい人もいれば、週に数回がちょうどいい人もいます。 -
家族で分ける
きょうだいや配偶者と、だれがいつ連絡するかを曜日で分けます。親にも分担を伝えておきます。 -
1か月試す
決めた形を1か月続けます。続かなかった日が多ければ、回数ではなく時間帯や方法を見直します。 -
状態で見直す
入院や体調の変化、暮らしの変化があったときに頻度を見直します。介護が必要になる前の話し合いは、介護が始まる前に、家族で決めておくことで整理しています。
毎日の接点を仕組みに任せる
3つの層のうち、いちばん続けにくいのが毎日の層です。忙しい日や出張の日は、どうしても抜けます。ここを仕組みに任せるという選び方もあります。
BabuuTalkは、タブレットのキャラクター「バブー」が毎日決まった時間に声をかけ、親が画面に触れて応えると、その応答が家族のLINEに届きます。家族がLINEから呼びかければ、親が何も操作しなくてもテレビ電話がつながります。Android端末(タブレットや使っていないスマホ)があればアプリは無料で、続けて使うなら画面の大きいタブレットが見やすくなります。
毎日の接点を仕組みが受け持てば、家族は週1回の会話に気持ちと時間を使えます。耳が遠い親には、テレビ電話中の自動字幕が助けになります。端末の選び方は高齢者の見守りタブレット、どう選ぶ?にあります。BabuuTalkは、家族との会話を毎日つくるきっかけとして使うものです。
今日できること
まず、次に親と話すときに、こう聞いてみてください。「いまの連絡、多すぎない?少なくない?」。親の答えが、あなたの家の頻度を決める最初の手がかりになります。
そのうえで、今週中に3つのことを決めましょう。毎日のひとことを送る時間帯、週1回の会話の曜日、月1回の点検の日。紙に書いて冷蔵庫に貼るのでも、家族のLINEに書くのでも構いません。1か月続けて、親の表情と自分の負担を見てから、回数を調整してください。