介護が始まる前に、家族で決めておくこと
親はまだ元気なうちに、連絡係・親の意向・お金と書類の場所・相談窓口をどう決めておくか。厚生労働省の一次情報をもとに、11月11日の介護の日に向けて整理します。
目次
この記事の要点
- 介護は、準備していないと「ある日突然」始まったように感じやすい
- 家族で話しておきたいのは、連絡係・親の意向・お金と書類の場所・相談窓口の4つ
- 2025年4月から、会社が40歳前後の社員に介護の情報提供をする仕組みが始まっている
- 離れて暮らす家族は、見守りの仕組みも一緒に決めておくと日々の様子に気づきやすい
11月11日は「介護の日」です。まだ親が元気なうちは、介護は遠い話に感じられます。でも実際には、入院や転倒をきっかけに、準備が無いまま急に始まることが多いテーマです。この記事では、介護が始まる前に家族で決めておきたいことを、上位ページや厚生労働省の情報をもとに整理します。
結論から言うと、決めておきたいのは連絡係・親の意向・お金と書類の場所・相談窓口の4つです。加えて、離れて暮らす家族なら、日々の様子に気づける連絡の仕組みも合わせて話しておくと安心につながります。難しく考えず、今日の電話や次の帰省で少しずつ確認していく形で十分です。
家族の中で連絡係を決める
介護が始まると、病院や施設、ケアマネジャーからの連絡が一気に増えます。きょうだいが複数いる家庭では、誰が最初の窓口になるかを決めておかないと、同じ話が何度も繰り返されたり、逆に誰も動かなかったりしがちです。
連絡係は「介護の中心になる人」ではなく、「情報が最初に集まる人」で構いません。実際に手を動かす役割や費用の分担は、状況を見ながら家族で話し合って決めていけば十分です。まずは窓口を1人に絞ることから始めます。連絡係が決まったら、他のきょうだいや親戚にも一言伝えておくと、後々の連絡がスムーズになります。
親の意向を先に聞いておく
家で暮らし続けたいのか、施設に入ることも選択肢に入れているのか。こうした親自身の希望は、元気なうちにしか本音で聞けないことがあります。介護が始まってから急いで確認すると、体調や気持ちの負担から、本音とは違う答えが返ってくることもあります。
聞き方は堅苦しくなくて構いません。「もし将来、体が動かしにくくなったらどうしたい?」くらいの軽さで、帰省や電話のついでに聞いておくと、後で家族の判断に迷ったときの拠りどころになります。
お金と書類の場所を知る
通帳や印鑑、保険証、年金手帳、かかりつけ医の診察券がどこにあるかを、家族の誰かが把握しておくと、入院などの急な出費にも慌てず対応できます。相続の分け方や税金の計算まで踏み込む必要はなく、「どこに何があるか」を知っておくだけで十分です。
金融機関によっては、家族が代理で入出金できるカードや、認知機能が低下したときの代理人制度を用意しています。制度の名称や条件は金融機関ごとに異なるため、実家の取引先の窓口やウェブサイトで確認しておくと確実です。
地域包括支援センターを控える
厚生労働省「地域包括ケアシステム」によると、地域包括支援センターは高齢者の総合相談や介護予防の援助を行う中核機関で、全国に5,487か所(支所を含めると7,374か所、令和7年4月末時点)設置されています。市区町村が設置しており、担当は住んでいる住所ごとに決まっています。
大切なのは、家族が住む場所ではなく、親が住む実家の住所を担当するセンターを調べておくことです。厚生労働省「介護サービス情報公表システム」の案内にあるとおり、担当のセンターは住所ごとに異なります。介護保険を使っていない段階でも相談でき、要介護認定の申請から日々の困りごとまで幅広く対応してくれます。申請の具体的な流れは、要支援と要介護、何が違う?申請までの流れでも詳しく紹介しています。
40歳から届く会社の案内を見る
見落としやすいのが、勤め先から届く介護関連の案内です。厚生労働省「介護休業制度特設サイト 法改正のポイント」によると、2025年4月から、会社は40歳前後の社員に対して、介護に直面する前の早い段階で情報提供を行うことが義務づけられました。
| 会社からの案内 | 伝えられる内容 |
|---|---|
| 介護休業制度 | 休業や両立支援の内容 |
| 申出先 | 誰に、どう申し出るか |
| 介護休業給付金 | 休業中の給付の仕組み |
面談のほか、書面やメールで届くこともあります。今すぐ使う予定がなくても目を通し、読んだら家族にも共有しておくと、いざというときに勤務先へどう申し出ればいいかで迷わずに済みます。
見守りの仕組みも話しておく
連絡係や相談窓口を決めても、離れて暮らしていると日々の小さな変化には気づきにくいものです。「最近元気にしているか」「電話に出ない日が続いていないか」を知る仕組みを、介護が始まる前に一つ決めておくと、家族の負担が減ります。
やり方は電話やLINEでの定期連絡でも構いませんが、親の見守り、何から始める?機器を選ぶ前にやることで紹介しているように、毎日の声かけを自動で届ける仕組みを使う家庭も増えています。
BabuuTalkは、毎日決まった時間に声をかけて応答を家族へ通知するほか、操作不要のテレビ電話で顔を見て話せます。通話中は話した言葉が画面に字幕として出るので、耳が遠くなった親でも会話を追いやすくなっています。LINEから送った一言は、実家のタブレットの掲示板にそのまま届きます。
Android端末(タブレットや使っていないスマホ)があればアプリは無料で使えます。続けて使うなら、画面が大きく見やすい専用タブレットが向いています。
今日、実家に電話してみる
介護が始まる前の準備は、一度に全部やろうとすると重く感じます。まずは今日の電話で「地域包括支援センターの連絡先、一緒に調べておかない?」と一言添えるところから始めてみてください。会社から介護の案内が届いていたら、それを話のきっかけにするのも自然です。
連絡係・親の意向・お金と書類の場所・相談窓口の4つは、どれも一度に決め切る必要はありません。次の帰省や電話のたびに一つずつ確認していけば、介護が実際に始まったときの負担を大きく減らせます。