親が詐欺被害に遭ったかも。家族が最初にする連絡の順番
親が詐欺に遭ったかもしれないと気づいたとき、離れて暮らす家族が先に動く順番を整理。警察、振込先の金融機関、#9110と188の使い分け、親への声のかけ方まで、公的機関の案内をもとに書きます。
目次
この記事の要点
- まず「これ以上送らない」。そのうえで警察と振込先の金融機関へ
- 迷う段階の相談は
- 親を責めないことが、次の相談につながる
実家の親から「実はお金を送ってしまったかもしれない」と打ち明けられた。あるいは通帳の動きや、親の口ぶりから、詐欺に遭ったのではと感じた。そんなとき、頭が真っ白になって何から手を付ければいいか分からなくなるのは、ごく自然なことです。この記事は、その最初の数時間に何をどの順番で動かすかを整理します。
結論から言うと、順番は「これ以上送らない → 警察 → 振込先の金融機関 → 相談窓口」 です。そして、どの段階でも親を責めないこと。これが、あとの対応を一番左右します。電話の備えを先に知りたい方は、親への詐欺電話が心配。今日から家族ができる備えも合わせて読んでください。
最初にすることは「止める」
何より先に、追加で送らせないこと です。詐欺の犯人は「あと少しで返金できる」「手数料が足りない」と、2回目、3回目を求めてくることがあります。親が電話やメッセージのやり取りを続けているなら、いったん切るように伝えてください。
電話口で「いったん切って、私に代わって」と言いにくければ、「ちょうど電話しようと思っていた」と、自然な形で話に入る手もあります。相手の番号や、届いたメッセージの画面は消さずに残しておいてもらいます。あとで警察に見せる材料になります。
手元に残してもらうもの
親に頼んで、次のものを捨てずに手元へ置いてもらいます。
- やり取りの記録:着信履歴、メッセージ、メール、封筒や送り状
- お金の記録:振込の控え、ATMの利用明細、通帳の該当ページ
- 相手の情報:名乗った名前、電話番号、口座の名義
全部そろっていなくても、動けます。分かる範囲を、時刻とあわせてメモに書き出すだけで十分です。
警察と金融機関へ連絡する
次に、警察と、お金を振り込んだ金融機関の両方へ連絡します。預金保険機構の案内では、振り込め詐欺などの被害にあったら、すぐに最寄りの交番・警察署や振込先の金融機関に連絡・届出をすること、金融機関には振り込んだ口座の取引停止を依頼することとされています(出典:預金保険機構「警察および振込先金融機関への連絡」)。
同じ案内には、金融機関は被害者の依頼に加えて、犯罪に使われた疑いがある口座を自分たちの判断でも止めることがある、とも書かれています。依頼する側は「止めてほしい」と、はっきり伝えれば足ります。
引き出されたお金は戻る?
預金保険機構の同じページには、振り込んだお金の一部がすでに引き出されている場合、被害者への分配金は振込額に応じて減額される、とあります(出典:預金保険機構「警察および振込先金融機関への連絡」)。つまり、届け出が早くても、引き出し済みの分が全額戻るとは限りません。
だからこそ、連絡を「あとで落ち着いてから」にしないことが大切です。同時に、戻るかどうかの見通しで親を追い詰めないでください。
迷う段階の相談先
「詐欺かどうか、まだ分からない」「お金はまだ送っていない」という段階では、2つの窓口が使えます。警察庁の詐欺対策のページには、警察相談専用窓口の #9110、消費者ホットラインの 188 が案内されています(出典:警察庁「ストップ!オレオレ詐欺47」)。
| #9110(警察) | 188(消費者) | |
|---|---|---|
| つながる先 | 都道府県警察の相談窓口 | 地域の消費生活センター |
| 向く場面 | 詐欺か迷う電話・要求 | 契約や支払いの相談 |
| 緊急のとき | 110番を使う | 110番を使う |
#9110 の受付時間は都道府県警察で異なります。たとえば愛知県警では、月曜から金曜の午前9時から午後5時(年末年始・休日を除く)とされており、緊急時は110番を案内しています(出典:愛知県警察「特殊詐欺情報」)。親が住む地域の警察のページで、時間を確かめてください。
188 のかけ方
188 は全国共通の番号で、お住まいの地域の消費生活センターなどの相談窓口につながります。つながるのは消費者庁ではなく、地域の窓口です。電話では郵便番号を入力して地域を選びます。入力を誤ると別の地域につながるおそれがあります(出典:消費者庁「消費者ホットライン188」)。
親の地域の窓口に相談したいなら、親の家の郵便番号を入れます。相談は無料ですが、窓口につながった時点から通話料がかかります。
親に話を聞くとき
連絡の手順と同じくらい、親の気持ちへの向き合い方が大切です。詐欺の被害に遭った人は、恥ずかしさや自責で口が重くなりがちです。話してもらえなければ、必要な連絡先の特定も、次の被害の防止もできません。
最初の一言
「どうして送ったの」ではなく、「教えてくれてよかった」 から始めます。詐欺は、人の善意や不安につけ込むよう作られた手口です。だまされたことは、親の落ち度とは言えません。
聞くのは、手順を決めるのに必要なことだけにします。
- いつ:やり取りの始まりと、お金を渡した時刻
- どうやって:振込か、現金の手渡しか、郵送か
- 誰に:口座の名義と金融機関、受け取りに来た人の特徴
責める口調になりそうなら、いったん電話を切って深呼吸してからかけ直して構いません。
次の被害を防ぐ
一度被害に遭うと、同じ人が別の名目で狙われることがあります。連絡を済ませたあとは、再び連絡が来たときの動き方を、親と決めておきます。
- 電話に出ない設定にする:留守番電話を常に有効にし、家族や知人の番号だけにかけ直す
- 合言葉を決める:お金の話が出たら、家族だけが知る言葉を聞く
- 窓口の番号を貼る:電話のそばに、110番、#9110、188 を大きな字で書いておく
通帳やカード、暗証番号の扱いについて、親と話しておくことがあれば、認知症の親の預金、家族は引き出せる?先に知っておくことも参考になります。緊急時に頼る人の連絡先を揃えておく方法は、一人暮らしの親の緊急連絡先、誰に何を揃える?にまとめています。
BabuuTalkでできること
BabuuTalkは、実家のタブレットで毎日決まった時間に声をかけ、親の返事が家族のLINEに届く見守りです。家族がLINEから送った一言は、実家の画面に「お知らせ」として出ます。
詐欺は「親が一人で、誰にも相談せずに判断する」場面で起きやすくなります。毎日のやり取りがあれば、「最近、知らない人から電話はなかった?」と軽く聞ける間柄を保てます。詐欺かどうかの判断は、この記事で挙げた警察や消費生活センターの窓口の役割です。BabuuTalkは、その手前の「話しやすい関係を続ける」部分を支えます。
今日できる最初の一歩
この記事を読んで、まだ被害には遭っていないと感じる方は、親の家の電話のそばに貼る番号のメモを、今日1枚作ってください。 110番、#9110、188 の3つだけで構いません。
すでに「遭ったかもしれない」と思っているなら、まず親に電話して、「教えてくれてよかった」と伝えるところから始めてください。そのうえで、これ以上送らないことを確かめ、警察と振込先の金融機関へ連絡します。