ケアマネジャーは変えられる?選び方と、合わないときの進め方
ケアマネジャーは選べて、合わなければ変えられます。事業所を選ぶときの確認点、月1回の訪問で見ること、変更を切り出す順番を、厚生労働省の資料をもとに整理します。
目次
この記事の要点
- ケアマネジャー(事業所)は、利用者と家族が選べる
- ケアプラン作成の利用者負担はなく、合わなければ変更できる
- 変更は包括か市区町村に相談し、顔合わせで納得してから決める
親の介護が始まると、ケアプランを作るケアマネジャーが窓口になります。最初は選ぶ余地がないように感じますが、実はそうではありません。この記事では、ケアマネジャーを選ぶときに見ること、毎月の訪問で聞かれること、合わないと感じたときの変更の進め方を整理します。
結論から言うと、ケアマネジャーは利用者と家族が選べて、合わなければ変えられます。大事なのは、変えたくなる前に「何を基準に見るか」を決めておくことです。
ケアマネの役割
ケアマネジャーは、親の心身の状況や暮らしを聞き取り、必要な介護サービスを組み合わせたケアプランを作る人です。作って終わりではなく、サービスが計画どおりに届いているか、事業者や関係機関との連絡や調整も担います。
厚生労働省「介護サービス情報公表システム」の居宅介護支援の案内には、特定のサービスや事業者に偏らず中立的に行うこと、ケアプランの作成にあたって利用者負担はないことが書かれています。
家族にとっての窓口
遠くに住む家族にとって、ケアマネジャーは親の暮らしの変化を知らせてくれる数少ない存在です。逆に言えば、連絡が取りにくい担当者だと、家族は状況をつかめません。選ぶときも変えるときも、「家族が連絡しやすいか」は大切な基準になります。
事業所は選べる
最初に知っておきたいのは、選ぶ単位が「人」ではなく「事業所」だという点です。居宅介護支援事業所を選び、その中の担当者が決まります。実際に始めてみないと相性が分からない理由は、ここにあります。
厚生労働省の居宅介護支援費の自己点検シートには、利用の開始にあたって、利用者が複数のサービス事業者の紹介を求められること、ケアプランに入れた事業者の選定理由の説明を求められることを、文書で説明する項目があります。選ぶのは利用者と家族であり、理由を聞いてよいことが、点検の項目になっているわけです。
調べ方は2つ
親の住所を担当する窓口に聞くと、地域の事業所の一覧を案内してもらえます。窓口は、親の市区町村の介護保険の担当課か、地域包括支援センターです。センターの探し方は親の介護、最初の相談先は?で整理しています。
もう1つは、先ほどの介護サービス情報公表システムです。都道府県を選んで、親の地域のサービス情報を確認できます。
選ぶときの4つの目安
事業所を選ぶときは、次の4つを面談で確かめます。どれも、相手を評価するというより、親と家族に合うかを確認する質問です。
| 確認すること | 見るところ |
|---|---|
| 話しやすさ | 質問に答えてくれるか |
| 連絡の取りやすさ | 家族へ連絡する方法 |
| 得意な分野 | 認知症、医療との連携 |
| 自宅との距離 | 急なときに動けるか |
得意な分野を聞く
ケアマネジャーにも、介護福祉士や看護師など、もとの資格や経験の違いがあります。親の困りごとが認知症の見守りなのか、通院や医療的なケアなのかによって、相談しやすい相手は変わります。「うちの親の場合、どんな点に気をつけたらよいですか」と聞くと、答え方に経験が表れます。
遠方なら先に伝える
遠距離の家族は、契約のときに遠方であること、ほしい情報、連絡の手段を伝えておきます。たとえば「親の様子に変化があれば、メールで知らせてほしい」と頼んでおくと、電話の時間を合わせる手間が減ります。
月1回の訪問で見ること
担当が決まったあとの毎月の訪問は、相性を見極める一番の機会です。前述の自己点検シートには、ケアプランの新規作成や変更のとき、利用者の自宅を訪問して本人と家族に面接すること、原案を説明して文書で同意を得ること、毎月自宅を訪問して面接すること(特段の事情がない場合)が点検項目として載っています。
訪問のたびに、家族の側でも確認したいことがあります。
- 説明の丁寧さ: プランの内容と、その理由を分かる言葉で話してくれるか
- 本人への向き合い方: 親の希望を聞き、親の目を見て話しているか
- 家族への連絡: 変化があったとき、家族に知らせてくれるか
- 相談への返事: 質問や相談に、納得できる返事があるか
親の様子をことばで集める
遠方の家族は、訪問に立ち会えないことが多いはずです。そこで、訪問の前に親へ「最近困っていることはある?」と聞き、メモにして担当者へ渡しておく方法があります。親が言いにくいことも、家族が代わりに伝えられます。
合わないと感じたら
担当者と合わないと感じたら、変更を考えてよい場面です。目安は、説明が分かりにくい日が続く、こちらの希望が反映されない、相談しにくい、連絡が滞るといった状態が重なっているときです。1回の行き違いだけで変更を決めるのではなく、いつ、何があったかを書き出して判断します。
-
困りごとを書き出す
いつ、何が合わなかったかを日付つきで書きます。「態度が悪い」といった感想より、「頼んだことが次の訪問まで放置された」のような事実のほうが、相談先に伝わります。 -
伝えやすい窓口に相談する
本人に直接言いにくいときは、同じ事業所の別の担当者、地域包括支援センター、市区町村の介護保険の窓口のいずれかに相談します。担当者だけ変えるのか、事業所ごと変えるのかも、ここで決めます。 -
新しい担当者と顔合わせをする
変更を決める前に、新しい担当者と会います。話しやすさや、親への接し方を見て、納得してから進めます。 -
引き継ぎを頼む
書類づくりや役所への届け出は、基本的に新しい担当者が進めます。続けたいサービスは、新旧の担当者の両方に伝えておきます。
変更の理由は具体的に
理由があいまいなまま変えると、新しい担当者のもとで同じ不満が起きるかもしれません。「連絡が少なかったので、月に1度は様子を知らせてほしい」のように、次の担当者への依頼の形にしておくと、関係がうまくいきやすくなります。
家族の連絡を整える
ケアマネジャーとのやり取りは、家族の中でも共有しておくと負担が分散します。連絡の窓口を1人に決めるか、きょうだいで分担するかは、介護が始まる前に、家族で決めておくことでも触れています。
要支援か要介護かで、担当する窓口や計画の作り方が変わる場合があります。認定の流れは要支援と要介護、何が違う?申請までの流れにまとめています。
BabuuTalkで親の様子を渡す
BabuuTalkは、実家に置いたタブレットが毎日声をかけ、親の応答を家族へ通知する見守りです。Android端末(タブレットや使っていないスマホ)があればアプリは無料で、続けて使うなら画面の大きなタブレットが見やすくなります。ケアマネジャーの訪問前に「先週は毎朝返事があった」「ここ数日は返事が遅い」と振り返れば、親の様子を日付つきで伝えられます。
訪問日の予定をLINEから書いておけば、親の画面にも掲示板として出ます。面談で伝えたいことの確認や、日々の連絡の補助として使えます。ケアプランや介護の判断は、ケアマネジャーや専門職の仕事です。
次の帰省までにやること
今日できることは、次の2つです。
- ケアマネジャーに連絡する方法を確認する。 電話か、メールか、いつ連絡がつくかを、親の家のメモに控えておきます
- 気になっていることを、日付つきで3つ書く。 良い点も書いておくと、変更を考えるときの材料が偏りません
相談のきっかけがつかめないときは、地域包括支援センターが窓口になります。親と話すときは、責めない聞き方を心がけてください。