親への詐欺電話が心配。今日から家族ができる備え
高齢者を狙う詐欺電話が心配な方へ。警察庁の資料をもとに、代表的な5つの手口、電話機の設定、家族の合言葉、自治体の録音機貸与、かかってきたときの初動、相談窓口までを具体的に整理します。
目次
この記事の要点
- 詐欺電話の多くは「オレオレ」「ニセ警察」「預貯金」「還付金」「SNS型」の5つの型に分かれる
- 電話機の設定(番号表示・非通知拒否・自動通話録音)を変えるだけで、入り口で防げるものが多い
- 家族だけの合言葉を1つ決めておくと、電話口の相手が本人かどうかをその場で確認できる
- 被害が出る前の「様子がおかしい」段階でも、警察相談専用ダイヤルや消費者ホットラインに相談できる
実家の親に詐欺と疑われる電話がかかってきたと聞いた。あるいはニュースで高齢者を狙う詐欺の被害を見て、うちの実家は大丈夫だろうかと不安になった。そんな方に向けて書きます。
先に結論です。詐欺電話への備えは、身構えることよりも「先に決めておくこと」で成り立ちます。 電話機の設定を変える、家族だけの合言葉を決める、自治体の録音機を借りる。この3つはどれも今日から始められ、手口が変わっても効果が薄れません。この記事では、代表的な手口と、家族が今日から進められる備えを、警察庁の資料をもとに順番に整理します。
詐欺電話、よくある5つの型
高齢者を狙う電話の詐欺は「特殊詐欺」と呼ばれ、いくつかの決まった型に分かれています。警察庁「特殊詐欺の手口一覧と今日からできる対策」では、代表的な手口として次の5つを挙げています。
- オレオレ詐欺:親族や弁護士を装い、事件や事故の示談金という名目でお金を要求する
- ニセ警察詐欺:警察官をかたり、捜査に協力してほしいという名目で現金を要求する
- 預貯金詐欺:銀行の職員などを装い、「キャッシュカードの交換が必要」と言ってカードを受け取る
- 還付金詐欺:税金や医療費の還付を装い、ATMを操作させて送金させる
- SNS型詐欺:投資や恋愛関係を装い、SNSやメッセージアプリを通じて金銭をだまし取る
警察庁によると、令和7年の特殊詐欺の認知件数は27,832件で、前年から32.3%増えています。中でも警察官をかたる「ニセ警察詐欺」は11,014件と、全体の39.6%を占めています(出典:警察庁「令和7年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について」)。手口は年々変わっていますが、「電話でお金や個人情報の話が出たら、まず疑う」という基本は変わりません。
電話機の設定を、今日変える
5つの型に共通するのは、知らない番号、あるいは表示された番号を信じ込ませる電話から始まることです。まず電話機側の設定を見直すだけで、入り口の多くを防げます。
警察庁「特殊詐欺の手口一覧と今日からできる対策」では、次の対策が挙げられています。
- 番号表示サービス:発信者の電話番号を着信時に表示させる。契約している電話会社のサービスで有効にできる
- 非通知拒否サービス:電話番号を通知しない着信を、そもそもつながないようにする
- 防犯機能付き電話(自動通話録音):着信時に「この通話は防犯のために録音されます」という警告メッセージを流し、通話を録音する。詐欺の実行犯は自分の声が残ることを嫌うため、警告の時点で電話を切ることが多いとされている
- 国際電話の着信拒否:海外の番号からの着信を受けないよう設定する
これらの機能がもとから電話機に付いていない場合は、次の章で紹介する自治体の貸し出し制度を確認してみてください。
自治体の録音機を借りる
自動通話録音機は、市区町村が無料で貸し出していることが少なくありません。たとえば世田谷区「自動通話録音機の無料貸し出しについて」では、区内在住のおおむね65歳以上の方が住む世帯を対象に、工事不要の録音機を無料で貸し出しており、自分で取り付けが難しい場合は業者による設置支援も用意されています。
貸し出しの対象年齢や申込方法は自治体ごとに異なります。実家の住所を管轄する市区町村の防犯・安全担当の窓口(「生活安全課」「防犯課」などの名称が多い)に、貸し出し制度があるか問い合わせるところから始めてください。
家族だけの合言葉を決める
電話機の設定でかなりの部分は防げますが、それでも巧妙な電話は本人の判断力に頼らざるを得ません。ここで役立つのが、家族だけが知っている合言葉です。
合言葉を決めるときのポイントは、複雑にしすぎないことです。難しい言葉にすると、いざというときに本人が思い出せず、かえって不安を強めてしまいます。答えられない、あるいは動揺して答えがずれると感じたら、その場で結論を出さずにいったん電話を切り、自分から確認の電話をかけ直してください。
電話が来たら、まずすること
実際に不審な電話がかかってきたときの動き方を、家族であらかじめ共有しておくと、本人も慌てずに対応できます。
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その場で答えず、いったん切る
「一度確認してからかけ直します」と伝えて電話を切ります。相手が急かしてくるほど、いったん切ることが大事です。
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自分が知っている番号にかけ直す
電話でかかってきた番号ではなく、自分の電話帳に登録してある家族や本人の番号にかけ直して確認します。
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合言葉を聞く
決めてある合言葉を聞き、答えが合っているか、動揺せずに答えられているかを確認します。
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不審なら警察や消費生活センターに相談する
少しでも詐欺の疑いが残るなら、お金を払う前に相談してください。次の章の窓口が使えます。
相談は、被害の前でもできる
「まだお金は払っていないから相談するほどではない」と考えて、様子を見てしまう方もいます。ですが、次の窓口は被害が出る前の「怪しい電話があった」という段階でも相談できます。
- 警察相談専用ダイヤル「#9110」:詐欺かどうか迷う電話や、緊急ではないが相談したい内容に対応
- 消費者ホットライン「188」:お住まいの地域の消費生活センターにつながり、契約や返金についても相談できる
- 未公開株通報専用窓口「0120-344-999」:未公開株や社債をかたる詐欺の情報提供に対応
(出典:警察庁「特殊詐欺の手口一覧と今日からできる対策」)緊急の場合は110番ですが、判断に迷う段階ではこれらの窓口のほうが相談しやすいです。実家の電話のそばに、これらの番号をメモして貼っておくのも有効です。
日常の接点が、抑止にもなる
詐欺の手口は、本人が一人で電話を受け、一人で判断せざるを得ない状況につけ込みます。逆に言えば、家族との会話が日常的にあると、いつもと違う電話や様子の変化に気づく機会が増えます。 「最近、変な電話なかった?」という一言を習慣にできれば、それだけで抑止になります。
毎日の電話は負担に感じる方も多いと思います。親が電話に出ない。心配なときに確認する順番でも触れているように、接点は「毎日きっちり」ではなく、続けやすい形にすることが大事です。
BabuuTalkは、こう考える
BabuuTalkは、タブレットの中のキャラクター「バブー」が毎日決まった時間に声をかけ、家族がLINEから送った一言が実家の画面に「お知らせ」として届く、会話型の見守りです。「最近、変な電話なかった?」という一言も、この仕組みで日常的に届けられます。
返事の有無や早さから、いつもと違う様子に気づく手がかりにもなります。詐欺電話の判断そのものは、この記事で挙げた警察や消費生活センターの窓口が専門です。BabuuTalkは、その手前にある「日常の会話を絶やさない」部分を支える役割です。
今日、実家の電話機を確認すること
最後に、今日からできることを1つに絞ります。実家の電話機に、番号表示や非通知拒否の機能があるかを確認してください。 なければ、実家の自治体に自動通話録音機の貸し出し制度があるか問い合わせてみてください。そのうえで、家族だけの合言葉を1つ、今日のうちに決めておくと安心です。