実家の固定電話に迷惑電話が多い。何から対策する?
実家の固定電話に迷惑電話が多いときの対策を、国際電話の休止、番号表示、警告・自動録音の機能、自治体の配付制度の順に整理し、親に伝えておくことまで、警察庁などの案内をもとにまとめます。
目次
この記事の要点
- まず、お金のかからない手続きから順に進める
- 機能は「番号表示」「警告・録音」「拒否」で役割が違う
- 機器を付けたら、届かなくなる電話も親に伝える
実家の固定電話に、知らない番号からの電話が増えている。親は「出なければいいだけ」と言うけれど、出てしまう日もある。そんな心配を抱えて、「何から手を付ければいいのか」を調べていませんか。
この記事では、お金のかからない手続き、電話機の機能の違い、自治体の制度、設定のあとに親へ伝えることを順番に整理します。結論から言うと、いきなり電話機を買い替えるより、無償でできる手続きから始め、そのうえで足りない部分を機能で補うのが無理のない進め方です。
3つの段階で考える
迷惑電話の対策は、機能を1つ選ぶ話ではありません。「かかってこないようにする」「出る前に選ぶ」「出てしまっても話させない」の3段階に分けると、足りない部分が見えます。
1つ目は、手続きだけで済む段階です。2つ目は、親が受話器を取る前に、誰からの電話かを知る段階です。3つ目は、出てしまった場合に、相手へ警告を流したり、会話を記録したりする段階です。
どの段階も、単独で完璧なものはありません。費用と手間の小さい順に重ねていくと考えると、親にとっても負担が小さく済みます。
まず無償でできること
最初に確認したいのは、費用のかからない手続きです。警察庁の案内には、固定電話・ひかり電話の国際電話番号からの発着信を、無償で休止できる手続きが載っています。
申し込み先は、国際電話3社(KDDI、NTTコミュニケーションズ、ソフトバンク)が共同で開いている「国際電話不取扱受付センター」です。手続きが面倒で申し込みを控える高齢者世帯には、警察が申込書と送付用の封筒を配る支援もあるとされています。参考:警察庁「固定電話の国際電話の利用休止」。
もう1つが、番号を表示する「ナンバー・ディスプレイ」と、番号を知らせない相手に番号を告げて掛け直すよう促す「ナンバー・リクエスト」です。NTT西日本の回線では、契約者か同居者が70歳以上などの条件を満たすと、月額の利用料などが無償になっています。
静岡県警の案内では、2023年5月から無償になったとされています。出典:静岡県警察「固定電話の特殊詐欺対策」。NTT東日本の地域や、他社の回線は条件が違います。契約先に問い合わせて確かめてください。
機能の違いを知る
次は、電話機や後付けの機器にある機能の違いです。名前が似ていて混乱しやすいので、役割で分けて見ます。
番号表示
誰からの電話か、出る前に分かる
- 役割
- 出る前に選べる
- 必要なもの
- ナンバー・ディスプレイ
- 向く親
- 表示を見て判断できる
警告・自動録音
鳴る前に、録音を相手に知らせる
- 役割
- 相手をためらわせる
- 必要なもの
- 録音機能付きの機器
- 向く親
- 表示を見ない親
拒否・知り合い専用
登録した番号だけをつなぐ
- 役割
- 知らない番号を通さない
- 必要なもの
- 電話帳への登録
- 注意
- 病院や宅配が届かない
機能は役割で選びます。1つで全部を担うものではありません
家電の解説記事(2020年時点)では、こうした機能に加えて、通話中でもボタンで拒否の音声を流して切る機能や、フリーダイヤルの番号を呼び出し音なしで切る機能などが紹介されています。機種ごとに搭載している機能が違うので、買う前に必要な機能が入っているかを確認することが大切です。
ここで気をつけたいのは、番号表示は「見る人」がいて初めて役に立つことです。親が表示を見ない、見ても判断できない場合は、鳴る前に警告を流して録音する機能のほうが合います。
自治体の制度を調べる
自治体によっては、特殊詐欺の対策として、自動通話録音機を無償で配付したり、購入費を補助したりしています。たとえば神戸市のサイトで公開されている案内では、65歳以上の高齢者がいる世帯を原則の対象に、機器を無償で配付するとされています。
案内では、設置後の電気代は利用者の負担で、転売はできないとされています。また、ビジネスフォンやインターホンなど、電話機や回線によっては付けられない場合があり、配付台数の上限に達すると受付が終わります。参考:神戸市サイト掲載の自動通話録音機の配付案内(PDF)。
制度の有無や条件は、市区町村ごとに違います。調べる手順は次のとおりです。
- 公式サイトで検索する 実家の市区町村名に「自動通話録音機」「特殊詐欺対策」を足して探す
- 役所か警察署に電話する 防犯担当や、警察署の生活安全課が窓口になる
- すでに使っている制度を確認する 緊急通報システムなどを使っていると、貸与の対象外になる場合がある
見守り事業や緊急通報の制度は、自治体の高齢者見守り事業、実家にもある?調べ方でも調べ方を整理しています。
選ぶ前に確認すること
機器を決める前に、実家の電話の状況を3つ確認します。ここを見ずに買うと、付けられない、使いこなせない、という失敗になりがちです。
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回線と電話機の種類を見る
ひかり電話か、アナログ回線か、電話機がコードレスか。後付けの機器は、電話機の種類によって付けられないことがあります。
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ナンバー・ディスプレイの契約を確かめる
番号表示や、番号による拒否の機能は、契約が前提になっていることがあります。契約の有無を、契約書や請求書、契約先への問い合わせで確かめます。
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親が使う場面を想像する
親は表示を見るか。ボタンを押せるか。電話は居間か廊下か。使う場面に合わない機能は、付けても使われません。
親が機器を面倒がるときは、「電話機のここを押すだけ」と、操作を1つに絞ります。押す操作が複雑なものほど、数日で使われなくなります。
設定のあとに伝えること
機器を付けたら、設定して終わりではありません。何が変わったかを、親に一言で伝えておきます。変わったことを知らない親は、鳴らない電話や、警告が流れる電話に戸惑います。
伝えておきたいのは、次の3つです。
- 知らない番号には、慌てて出なくてよい 留守番電話に任せて、あとで聞けばよい
- お金や手続きの話が出たら、電話を切る そのうえで、家族か、警察相談専用電話の「#9110」に連絡する
- 届かなくなる電話がある 病院や宅配業者などは、登録しておく
詐欺かもしれないと思ったときの相談先は、警察の「#9110」と、消費者ホットラインの「188」です。手口と、家族で決めておく合言葉については、親への詐欺電話が心配。今日から家族ができる備えにまとめています。
固定電話以外の連絡も持つ
固定電話の対策を重ねても、親は「知らない番号」と「家族からの電話」を、受話器を取ってからでないと区別できないことがあります。そこで、家族からの連絡が別の経路でも届くようにしておくと、固定電話を「知らない番号には出なくてよい電話」と割り切りやすくなります。
BabuuTalkは、実家のタブレットに、家族からのテレビ電話がつながる仕組みです。かかってきた電話に自動で応答するので、親が受話器の操作に迷う必要がありません。LINEで書いた伝言は、タブレットの画面に出ます。「知らない番号の電話は、出なくていいよ」という一言を、掲示板に載せておくこともできます。
Android端末(タブレットや使っていないスマホ)があればアプリは無料で、続けて使うならタブレットが見やすいです。詳しくはトップページをご覧ください。親が電話に出ないときの確認の順番は、親が電話に出ない。心配なときに確認する順番にあります。
今週、親に聞くこと
最後に、今週できることを2つ挙げます。
- 親に電話して、「最近、知らない番号からの電話は多い?」と聞く。 回数と、出てしまったときの様子を聞いておくと、必要な機能が決まります
- 国際電話の利用休止を、親に提案する。 海外に連絡する相手がいなければ、申込書の取り寄せから、次の帰省で一緒に書く段取りを決めます
機器の購入は、そのあとで十分です。まず親の困りごとを聞くことが、いちばん外れない一歩になります。