親のスマホに不審なSMSが届く。家族が先にしておくことと、届いた後の動き

親のスマホに届く宅配・銀行・携帯会社などをかたるSMSやメール。届く前の設定、届いたときの3つの動き、押してしまったときの順番を、総務省・国民生活センターなどの案内で整理します。

公開 読了 約7分 執筆 株式会社BabuuTalk

居間で穏やかに話す高齢の母親の写真に、タイトルを載せた画像
目次

この記事の要点

  • 偽SMSは見た目では見分けにくい
  • 届く前の設定と、届いた後の動きを分ける
  • 見せやすい空気を、家族が先に作る

宅配便の不在通知、カード会社の利用確認、携帯会社の料金未納の知らせ。親のスマホに届くそうした文面を見て、「これ、本物かな」と電話がかかってきたことはないでしょうか。離れて暮らしていると、届いた画面を一緒に見ることもできません。

この記事では、親のスマホに届く不審なSMSやメールについて、届く前にできる設定、届いたときの動き、押してしまったときの順番を整理します。結論から言うと、偽物かどうかを親に見分けさせるのではなく、「押さずに、公式から確かめて、家族に見せる」という3つの動きを先に決めておくのが、いちばん現実的です。

高齢の人が、両手でタブレットを持って画面を見ている手元の写真
届いた文面を、親がひとりで判断する場面は多くあります。見せ合う習慣が助けになります

偽メッセージの見え方

親が戸惑う最大の理由は、偽物がよくできていて、見た目では区別がつきにくいことです。警察庁も、送信元の名称やアドレスは簡単に偽装でき、表示だけで真偽を判断するのは困難としています。出典:警察庁「フィッシング対策」。

だから「怪しい日本語に気をつけて」と伝えても、あまり役に立ちません。文面が自然で、ちょうど荷物を待っていたときに届くこともあります。判断の材料を増やすより、判断しなくてよい動きを用意するほうが、親にも家族にも負担が少なくなります。

もう一つ知っておきたいのは、焦らせる言い方が多いことです。「本人確認が必要です」「利用が制限されます」のように、急いで操作させようとする文面が目立つと、警察庁も説明しています。

装われやすい4つの顔

国民生活センターは、通販サイトやフリマアプリ、クレジットカード会社や銀行、宅配便事業者、携帯電話会社、官公庁をかたる偽のSMSやメールに警戒を呼びかけています。出典:国民生活センター「偽SMS・メールに警戒を」。親の暮らしに近い顔を、家族の側で4つに絞って頭に入れておくと、話が早くなります。

宅配便

不在通知や再配達の依頼

言い方
荷物のお知らせ
親の状況
荷物を待っている

カード・銀行

利用確認や取引の停止

言い方
不正利用のおそれ
親の状況
口座を守りたい

携帯会社

料金未納や契約の停止

言い方
利用停止の予告
親の状況
通信を失いたくない

官公庁

税金や年金、還付の案内

言い方
期限を過ぎている
親の状況
手続きに自信がない

どれも、親が「放っておけない」と感じる立場をかたります

総務省も、銀行を装う「セキュリティ更新」、宅配業者を装う「再配達のご依頼」、官公庁を装う「税金還付」などの例を挙げています。出典:総務省「メール・SMSの詐欺対策」。親に伝えるときは、この4つの名前を挙げて「この名前で急がせてきたら、いったん止まろう」と言うだけで十分です。

膝の上で重ねられた、高齢の女性の両手の写真
急がせる文面を前に、親は「どうしよう」と固まってしまうことがあります

届く前に減らす設定

偽のSMSは、届かなければ悩む必要もありません。総務省は、携帯電話会社などが提供する迷惑メール・SMSのブロックサービスを使うことを対策の一つに挙げています。まず、実家の契約会社で、その機能が使える状態かを確かめます。

たとえばauの「迷惑SMSブロック」は、迷惑SMSの疑いがあるものを自動で判定して届かないようにする機能で、無料で、申し込みなしに自動で適用されると案内されています。ただし、すべての不審なSMSを防げるわけではなく、誤って規制される場合もあります。出典:au「迷惑SMSブロック」。

契約会社のマイページを見る

名前も設定の場所も、会社によって違います。家族が親の契約会社と、マイページにログインできる人を確認しておきます。親が自分で無効にした覚えがなくても、状態を一度見ておくと安心です。

スマホ本体の設定も

スマホ本体にも、知らない送信者のメッセージを別の場所に分けて表示する設定があります。名前は機種ごとに違うので、設定画面の検索欄に「迷惑」「フィルタ」と入れて探します。帰省中に、親と並んで一緒に操作するのが確実です。

設定は「減らす」もの

ここで大切なのは、設定は減らすものであって、ゼロにするものではないという前提です。ブロックをすり抜けて届く文面は残ります。だから、次の「届いたときの動き」を、設定とセットで決めておきます。

家族が集まって、笑顔で並んでいる写真
設定は、帰省で顔を合わせたときに、親と一緒に見直すのが続きます

届いたときの3つの動き

見分ける力ではなく、動きの順番を親と共有します。難しい用語は使いません。次の3つだけを、紙に書いて渡してもよいくらいです。

  1. 押さない

    SMSのURLも、書かれた電話番号も触りません。警察庁は、リンクは安易にクリックしないよう呼びかけています。

  2. 公式から確かめる

    気になるなら、日ごろ使っている公式アプリや、登録しておいた入口から、自分で確かめます。メッセージに書かれた入口は使いません。

  3. 家族に見せる

    画面の写真を撮って、家族に送ります。本物かどうかは、見た家族が一緒に確かめます。

総務省は、「本人確認が必要です」「荷物が届いています」のような心当たりのないメッセージには注意すること、記載の電話番号に安易に連絡しないことを案内しています。国民生活センターも、日ごろから公式のブックマークや公式アプリから利用する習慣をすすめています。

「登録した入口」を家族で用意する

宅配便やカード会社、銀行について、親が使っている公式アプリやブックマークの場所を家族が一緒に確認しておきます。いざというときに「どこから開けばいいか」が分からないと、SMSのURLを頼ってしまうためです。

写真を撮るのが難しい親には

スクリーンショットや写真の撮り方が分からない親もいます。その場合は「画面を見たまま、紙に写してもいいし、電話で読み上げるだけでもいい」と伝えます。大事なのは形式ではなく、押す前に家族に見せるという順番です。

押してしまったとき、順番に動く

押してしまっても、すぐに被害が決まるわけではありません。国民生活センターは、偽サイトにアクセスしても、個人情報を入力しなければ被害は防げるとしています。まず、押したあとに何をしたかを、落ち着いて聞きます。

家族の側の聞き方で、その後の動きが変わります。「なんで押したの」と責めると、次から隠すようになります。「押したあと、何か入力した?」と、状況だけを聞きます。

IDやパスワード、カード番号などを入力してしまったときの動きは、国民生活センターが次のように案内しています。

  • 入力したIDやパスワードをすぐに変更する: 同じものを使い回している他のサービスも変えます
  • カード会社などの関係先に連絡する: 入力したカード番号が使われているかを確認します
  • 地域の消費生活センターに相談する: 消費者庁「消費者ホットライン」の「188」は、住んでいる地域の相談窓口につながる全国共通の番号です

お金を送ってしまった、電話をかけて相手に指示された、というときは、被害の連絡先と順番が変わります。親が詐欺の電話を受けたあとの動きは、親が詐欺被害に遭ったかも。家族が最初にする連絡の順番に整理しています。

親が家族に見せやすくする

ここまでの動きは、親が家族に見せてくれることが前提です。いちばん難しいのは、実はここだと思います。「こんなことで聞いたら迷惑かな」「だまされた自分が恥ずかしい」と感じると、親は黙ってしまいます。

見せやすくするために、家族の側でできることは3つあります。

  • 家族のところにも届く話をする: 「私のスマホにも毎週届くよ」と先に伝えると、親は自分だけの問題だと感じなくなります
  • 見せたことを、いつも喜ぶ: 「教えてくれてありがとう」と返します。本物でも偽物でも同じです
  • 頻度を決めて聞く: 帰省や電話のたびに「最近、変な通知は来てない?」と一言聞きます

電話での詐欺への備えは、親への詐欺電話が心配。今日から家族ができる備えと、実家の固定電話に迷惑電話が多い。何から対策する?にまとめています。電話もSMSも、親が一人で抱え込まないための土台は同じです。

離れていても気づく仕組み

家族に見せる流れは、「見せたい」と思った親が、思い立ったその場で伝えられる経路があって初めて動きます。スマホの操作に自信がない親にとっては、ここがいちばんのつまずきどころです。スマホの使い方そのものに不安があるときは、スマホが使えない親との連絡手段、どう選ぶ?も参考になります。

BabuuTalkは、実家に置いたタブレットに、家族がLINEから書いた伝言が掲示板として大きく表示される仕組みです。「怪しい通知が来たら、押さずに写真で送ってね」「荷物の連絡は、アプリから確かめようね」と一言送っておけば、親は画面を見るたびに思い出せます。SMSの怪しさを判定するのは、携帯会社の機能やセキュリティの役割で、BabuuTalkは家族の言葉を、親の目に入る場所に届ける役目です。

BabuuTalkのタブレット。「お知らせ」として家族からの伝言が大きく表示され、下に「わかった」のボタンがある
実家のタブレットの画面。家族が書いた伝言が、大きな文字で表示されます

Android端末(タブレットや使っていないスマホ)があればアプリは無料で、続けて使うならタブレットが見やすいです。詳しくはトップページをご覧ください。

今週、親に聞くこと

最後に、今週できることを3つ挙げます。

  1. 親に電話して、「最近、変なSMSやメールは来てない?」と聞く。 来ていたら、責めずに、どんな文面だったかを聞きます
  2. 親の契約会社と、迷惑SMSを減らす機能の状態を確かめる。 次の帰省で、マイページを親と一緒に見る約束をします
  3. 「押さない・公式から確かめる・家族に見せる」を、親に伝える。 紙に書いて、電話のそばに貼ってもらうのもよい方法です

偽のメッセージを完全に防ぐことはできません。それでも、届いたときの動きが決まっていれば、親が一人で慌てることは減らせます。

FAQよくある質問

親のスマホに届くSMSを、家族が見張ることはできますか?
親の同意なしに中身を見るのは、見守りではなく監視になります。代わりに、携帯会社の迷惑SMSを減らす機能を確認し、怪しいものは親が自分で家族に見せる流れを決めておくほうが続きます。
本物か偽物か、文面から見分けるコツはありますか?
警察庁は、送信元の名前やアドレスは簡単に偽装できるので、表示だけで真偽を判断するのは難しいとしています。見分けようとするより、リンクを押さず、公式アプリや登録した入口から確かめる習慣のほうが確実です。
親がURLを開いてしまいました。もう手遅れですか?
開いただけで被害が決まるわけではないとされています。国民生活センターは、偽サイトにアクセスしても、IDやパスワード、カード番号などを入力しなければ被害を防げるとしています。入力したかどうかを、責めずに聞くのが最初の一歩です。
相談できる窓口はどこですか?
消費者ホットライン「188」は、住んでいる地域の消費生活相談窓口につながる全国共通の番号です。カードや口座に関わるときは、そのカード会社や金融機関にも連絡します。
親が「自分は引っかからない」と言って聞いてくれません。
親を直すというより、家族の側の準備として話すと受け入れられやすくなります。「私のところにも届くから、見つけたら教えて」と、同じ立場の話として切り出す方法があります。
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