親が訪問販売で高額契約。クーリング・オフはできる?

実家の親が訪問販売や電話勧誘で高額な契約をしていたとき、家族が最初にすること。8日の数え方、通販との違い、期間を過ぎた場合、188への相談、通知の出し方を公的機関の案内で整理します。

公開 読了 約7分 執筆 株式会社BabuuTalk

居間のテーブルで、高齢の母親が契約書を見つめ、家族が囲んでいる様子
目次

この記事の要点

  • 訪問販売と電話勧誘は、書面を受け取った日から8日以内なら解約できる
  • 通信販売にはクーリング・オフがなく、返品のルールが別にある
  • 期間を過ぎても、188で相談すれば取れる手が残っている

実家に帰ったら、見たことのない布団や浄水器、健康食品の箱が積んであった。親に聞くと「訪問の人に勧められて契約した」と言う。契約書を見ると、驚くような金額が書かれている。そんな場面に向けて、この記事を書きました。

結論から言うと、訪問販売や電話勧誘で結んだ契約は、書面を受け取った日から8日以内なら、理由を問わず解約できます。 期間は「契約した日」ではなく「書面を受け取った日」から数えるので、まだ間に合うことがあります。まず契約書を探して、日付を確認するところから始めてください。

この記事では、解約の期限の数え方、通販との違い、期間を過ぎたあとの考え方、相談先、通知の出し方までを、消費者庁と国民生活センターの案内をもとに整理します。

実家の居間で、娘が母親と一緒にテーブルの契約書と段ボール箱を見ながら話している様子
責めるのではなく、書類を一緒に見るところから始めます

まず、親に何を聞くか

契約に気づいた直後は、つい「どうして断らなかったの」と言いたくなります。けれど、責められると親は話さなくなり、次の契約を隠すようになりかねません。最初に聞くのは、いつ、誰が来たか、書類は何をもらったかの3つです。

  • いつ: 契約した日と、書類を受け取った日。同じ日とは限りません
  • 誰が: 会社名と担当者の名前、電話番号。名刺やパンフレットが残っていないか探します
  • 何を渡されたか: 契約書、領収書、パンフレット、クレジットの申込書。捨てずに1か所に集めます

お金を払った方法も聞いておきます。現金か、クレジットか、分割払いか。クレジットを使っている場合は、通知を送る先が変わります。

8日はいつから数える?

訪問販売のクーリング・オフは、法律で決まった内容が書かれた書面を受け取った日から8日以内です。消費者庁の特定商取引法ガイド「訪問販売」は、書面を受け取った日から数えて8日以内と説明しています。

訪問販売と電話勧誘は書面を受け取って8日以内、通信販売はクーリング・オフなし、という違いを示した図解
同じ「買い物」でも、取引のしかたで解約のルールが変わります

数え方で迷うのは、契約した日と書面をもらった日がずれるときです。国民生活センターは、期間を申込書面と契約書面のどちらか早く受け取った日から数えると説明しています(出典:国民生活センター「クーリング・オフ」)。

迷ったら、手元に残っている書面のうち、いちばん古い日付を起点にして、早めに動くのが安全です。

電話勧誘も同じ8日

電話で勧誘されて、その場や後日に申し込んだ契約も、同じく8日以内です。親が「電話で話を聞いただけ」と言っていても、あとから商品が届いていれば、この取引に当たる可能性があります。電話勧誘への備えは、親への詐欺電話が心配。今日から家族ができる備えにまとめています。

通信販売は違う

新聞やインターネットの広告を見て、自分から申し込んだ通信販売には、クーリング・オフの規定がありません。消費者庁のガイドも「通信販売には、クーリング・オフに関する規定はありません」と明記しています(出典:消費者庁「特定商取引法とは」)。

代わりに、返品のルールがあります。広告に返品についての特約があればそれに従い、特約がなければ、商品を受け取った日を含めて8日以内は返品できます。ただし、返品にかかる費用は購入者の負担です(出典:国民生活センター「クーリング・オフ」の同ページ)。

どちらの取引か分からないときは、**申し込みのきっかけが「相手から来たか」「自分から探したか」**を親に聞くと整理できます。相手が訪ねてきた、電話をかけてきた、なら訪問販売か電話勧誘の可能性が高くなります。

8日を過ぎていたら

期間を過ぎても、あきらめなくて大丈夫です。取れる手は3つあります。

  • 書面の不備: 渡された書面に法律で決まった内容が足りないと、8日の数え始め自体が成り立たない場合があります。国民生活センターも、書面の記載に不備があれば期間を過ぎても対象になる場合があると説明しています
  • 業者の妨害: 業者が解約を妨げたり、おどしたりして、そのために期間内に通知できなかった場合は、期間を過ぎても使えます(出典:消費者庁「訪問販売」の同ページ)
  • 取り消しと解除: 事実と違う説明をされて信じ込んだ場合は、契約を取り消せます。また、日常生活で通常必要な分量を著しく超える契約は、契約から1年間、解除できるルールがあります(出典:同ページの不実告知・過量販売の項)

過量販売の解除は、同じ業者から布団や健康食品を次々に買わされているような場面で、相談の入口になります。ただし、どこまでが「著しく超える」かは、世帯の人数や商品の性質などで個別に判断されます。自分たちだけで決めつけず、窓口に契約書を見せて確かめてください。

相談は188から

どこに相談すればいいか分からないときは、消費者ホットライン188に電話します。郵便番号を入力すると、お住まいの地域の消費生活相談窓口につながります。相談は無料ですが、窓口につながってからの通話料はかかります(出典:消費者庁「相談窓口(被害にあったら)」)。

遠距離の場合は、実家の住所の郵便番号を入力します。あなたの住んでいる地域ではなく、契約をした親の地域の窓口が基本です。

夜の台所で、娘が電話の受話器を持ち、手元のメモ帳に書き留めている様子
相談の前に、契約書と日付をそろえておくと話が早く進みます

電話するときは、次のものを手元に置いておくと、相談が進みます。

  1. 契約書・領収書・パンフレット: 会社名、日付、金額、契約の内容が分かるもの
  2. 経緯のメモ: いつ、誰が、どんな説明をして、どう契約したか
  3. 支払いの方法: 現金か、クレジットか、分割払いか

IP電話やプリペイド式の携帯電話などからは188がつながらないことがあります。その場合は、国民生活センター「全国の消費生活センター等」で、親の住所の窓口の電話番号を調べて直接かけてください。

通知の出し方

窓口に相談して、解約の手続きに進むときの通知の出し方です。国民生活センターは、通知を書面(はがき)か電磁的記録(メールなど)で出すと案内しています。電磁的記録は2022年6月から使えるようになりました。

  1. 契約書で通知先を確認する

    契約書に書かれている通知先と方法を確認します。販売会社と、クレジット会社の両方に出す場合があります。

  2. 通知書を作る

    契約した日、契約者の名前、商品名、契約金額、通知を出す日を書きます。書き方の例は国民生活センターのページにあります。

  3. 記録が残る方法で出す

    はがきなら、両面をコピーしてから、特定記録郵便や簡易書留で送ります。メールの場合は、送信画面のスクリーンショットを保存します。

  4. 関係書類を保管する

    送った記録や書類は、少なくとも5年間は残しておきます。支払ったお金が返ってくるか、商品が引き取られるかも確かめます。

出典は国民生活センター「クーリング・オフ」の手続きの項です。通知は期間内に「発信」すれば足ります。ぎりぎりの場合は、書き方に迷っても、まず窓口に電話してください。

契約に気づいてから、書類を確保、日付を確認、188に電話、通知を送る、の4段階の図解
迷ったら、この順番に戻ります

次の契約を減らすために

解約が済んだら、次に向けて親と話しておくことがあります。叱るのではなく、親が断りやすくなる準備を一緒にします。

  • 玄関で一人で決めない: 「家族に確認するので」と言って、その場で契約しないことを決めておく
  • 書類を捨てない: 契約書や領収書は、決まった引き出しに入れる
  • 家族に連絡する: 知らない人が訪ねてきたり、契約の話をされたりしたら、家族に電話する
玄関で母親がドアを少し開けて訪問者に応対し、後ろで娘と夫が見守っている様子
断る練習より、「家族に確認する」と言えることが大切です

親が詐欺に遭ったかもしれないと感じたときの初動は、親が詐欺被害に遭ったかも。家族が最初にする連絡の順番に整理しています。

BabuuTalkでできること

離れて暮らしていると、契約に気づくのは帰省したときになりがちです。8日以内に気づくには、普段の連絡で変化に気づける関係が土台になります。

BabuuTalkは、実家に置いたタブレットに毎日の声かけが届き、親が応えたかどうかが家族のLINEに通知される仕組みです。家族がLINEで書いた伝言は、タブレットの掲示板に大きく表示されます。「知らない人が来たら、その場で決めずに電話してね」のような一言を、折に触れて届けられます。

BabuuTalkのタブレット。「お知らせ」として家族からの伝言が大きく表示され、下に「わかった」のボタンがある
実家のタブレットの画面。家族が書いた伝言が、親の目の前に大きく出ます

Android端末(タブレットや使っていないスマホ)があればアプリは無料で、続けて使うならタブレットが見やすいです。詳しくはトップページをご覧ください。親の通帳や暗証番号の話の切り出し方は、親の通帳や暗証番号、どう聞く?切り出し方にあります。

今日できること

最後に、今日できることを3つ挙げます。

  1. 契約書の日付を確認する。 書面を受け取った日から8日以内かを、書類の中でいちばん古い日付で確かめます
  2. 188に電話する。 実家の郵便番号を入力して、契約書の内容を窓口に伝えます。期間が迫っているときは、今日のうちに
  3. 親には「一緒に聞いてみよう」と伝える。 責めずに、窓口への相談に親も同席してもらいます

契約の細かい中身が分からなくても、書類を手に電話するだけで構いません。まず契約書を1か所に集めるところから始めてください。

FAQよくある質問

契約から8日たってしまいました。もう解約できませんか?
すぐにあきらめる必要はありません。8日は契約した日ではなく、法律で決まった書面を受け取った日から数えます。書面に不備がある場合や、事業者が妨害した場合は、期間を過ぎても使えることがあります。また、虚偽の説明があった場合や、必要以上の量を買わされた場合は、別のルールで取り消しや解除ができる可能性があります。まず188に電話してください。
親が「自分で決めたことだから」と言い張ります。家族だけで動いていいですか?
契約したのは親本人なので、家族が勝手に通知を出すのは避けたほうが安全です。まず「解約できる可能性があるから、一緒に相談窓口に聞いてみよう」と、親の気持ちに寄り添って話します。窓口には家族だけで相談もできるので、聞いた内容を持ち帰って親と決めてください。
通販で高額な商品を買ってしまった場合はどうなりますか?
通信販売にはクーリング・オフの規定がありません。広告に返品についての特約があればそれに従い、特約がなければ商品を受け取った日を含めて8日以内は返品できます(返品の費用は購入者の負担)。ただし電話で勧誘されて申し込んだ場合は、電話勧誘販売に当たります。取引のしかたが分からなければ、188で聞いてみてください。
解約の通知は、親が自分で書かないといけませんか?
通知は契約をした本人の名前で出すのが基本です。書き方の例は国民生活センターが公開していて、相談窓口でも教えてもらえます。親が書くのが難しい場合は、一緒に書いて、本人が確認したうえで出す形が安心です。
同じ業者が何度も来るのは、どう考えたらいいですか?
次々に契約させられる場合は、家族が一人で抱えず、早めに相談窓口へ伝えてください。必要以上の量の契約は、一定の条件で1年間は解除できるルールもあります。契約書や商品の記録を残しておくと、相談が進めやすくなります。
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