親の話し相手が減っている。会話のある見守りとは

一人暮らしの親が誰とも話さない日が増えたとき、家族の電話、地域の集まり、毎日の声かけの3つの入口と、それぞれの向き不向きをまとめます。

公開 読了 約4分 執筆 株式会社BabuuTalk

窓辺でお茶を飲む高齢の母と、奥で笑い合う家族のイラスト
目次

この記事の要点

  • 「連絡がつく」ことと「話せている」ことは別になりやすい
  • 話し相手は、家族の電話・地域の集まり・毎日の声かけの3つの入口から
  • 親が気に入るかは試さないと分からない。まず1つだけ始める

実家に電話をかけると、「今日は誰とも話してないよ」と言われた。電話に出てくれるし、元気そうでもある。それでも、話し相手がいない日が続いているのではと、ふと気になる方は多いと思います。

この記事では、一人暮らしの親の会話の実態を公的な調査でおさえたうえで、話し相手をつくる3つの入口(家族、地域、毎日の声かけ)と、それぞれの向き不向きを整理します。結論は、1つに絞らず、負担の小さいものから1つ試すことです。 親の性格や暮らしによって合う入口は違うため、「これが正解」という形はありません。

会話の実態を知る

一人暮らしの高齢者は、同居家族のいる人より会話の機会が少ない傾向があります。内閣府が60歳以上を対象にした調査では、電話やメールを含めた日常の会話が「2〜3日に1回以下」と答えた人は、一人暮らしの男性で41.9%、女性で27.8%でした。出典:内閣府『平成23年版 高齢社会白書』(内閣府「第1章 高齢化の状況(第3節1)」)。

この数字は少し前の調査なので、今の割合そのものではなく、「一人暮らしだと会話が途切れやすい」という傾向を知る目安として読んでください。ここで大事なのは、数えているのが電話やメールを含めた会話だという点です。離れて暮らす家族の電話も、会話の数に入ります。

食卓で、スマートフォンを手に母と笑顔で話す娘。奥の台所では父が料理をしている
帰省したときは話せても、離れているあいだの会話をどう保つかが、家族の悩みどころです

3つの入口を知る

話し相手をつくる方法は、大きく3つに分けられます。どれが優れているということではなく、親の暮らしと性格で向き不向きが変わります。

話し相手をつくる3つの入口の図解。家族、地域、毎日の声かけの3枚のカードが並んでいる
3つの入口は、どれか1つを選ぶものではなく、組み合わせて使えます
向き不向きの目安。実際は親の気分でも変わります
入口 向いている親
家族の電話 家族との会話が好き
地域の集まり 人の輪に出かけられる
毎日の声かけ 自分から連絡しにくい

家族の電話を整える

いちばん手近で、いちばん効くのは家族との会話です。ただ、「気づいたときに電話する」では、忙しい週ほど途切れます。朝9時にかけたが出なかった、夜はこちらが遅くなった、そうして1週間が空くのはよくあることです。

続けるコツは、長さより時間を決めることです。「夕飯のあとの2〜3分」「日曜の夜に10分」のように、親が待てる時間をつくります。話題に困ったら、「今日の天気」「お昼に食べたもの」のように答えやすい質問から入ると、親も話しやすくなります。連絡がつかないときの順番は、親が電話に出ない。心配なときに確認する順番にまとめています。

話題は、親が話し手になれるものを選ぶのがコツです。「あの店の味噌、どうやって作るんだっけ」のように教えてもらう形にすると、親は頼られている実感を持てます。逆に、体調や物忘れを確かめる質問ばかりが続くと、電話が「点検」に感じられて、かけるたびに話が短くなってしまいます。

地域の集まりを探す

地域には、お茶を飲みながら話せる「通いの場」や高齢者のサロンなど、気軽に参加できる集まりがあります。名前や開き方は自治体ごとに違い、調べても見つけにくいのが難点です。

探すときの窓口は、実家の担当の地域包括支援センターです。厚生労働省は、地域包括支援センターを高齢者の総合相談などを担う機関として位置づけ、配食や見守りといった生活支援も広げていると説明しています(厚生労働省「地域包括支援センターの概要」)。

明るい和室で、高齢の女性たちがお茶とお菓子を囲んで笑顔で話している
地域の集まりは、お茶を飲みながら話すだけの場も多くあります

電話では、「母が一人暮らしで話し相手が少ないようです。近所でお茶を飲める集まりはありますか」と聞くだけで構いません。親が人付き合いを好まないときは、見学だけ、お茶だけ、のように負担の小さい形があるかも合わせて聞いてみてください。自治体の見守り事業との違いは、自治体の高齢者見守り事業、実家にもある?調べ方で整理しています。

毎日の声かけを足す

家族の電話は、家族の都合に左右されます。地域の集まりは、親の体調や天気に左右されます。その間を埋めるのが、毎日決まった時間に話しかけてくれる仕組みです。

親が自分から連絡しにくいタイプでも、向こうから声をかけてもらえれば、返事をするだけで済みます。会話の量を増やすというより、「今日1回は誰かの声を聞いた」という日を途切れさせない、という考え方です。

声かけを足すときは、親に「見張られる」と感じさせないことも大切です。「毎日おはようを言ってくれる相手が増えるよ」と、親にとってのメリットから伝えると受け入れてもらいやすくなります。

BabuuTalkの場合

BabuuTalkは、タブレットの中のキャラクター「バブー」が毎日決まった時間に声をかけ、親は画面に触れるだけで応えられます。家族がLINEから呼びかければ、操作なしでテレビ電話がつながります。Android端末(タブレットや使っていないスマホ)があればアプリは無料で、続けて使うなら画面の大きいタブレットが見やすくなります。

BabuuTalkの待受画面。時刻が大きく表示され、下に日付と「呼ぶ」ボタンがある
実家の端末の待受画面。文字が大きく、触れるボタンは「呼ぶ」だけです

BabuuTalkは、家族や地域の人との会話の代わりになるものではありません。家族との電話や地域の集まりへつなぐ、毎日の最初のきっかけとして使うものです。耳が遠い親には、テレビ電話中の自動字幕が助けになります。詳しくは親の耳が遠くなってきた。テレビ電話の声が聞こえにくいときの工夫を読んでみてください。見守り全体の選び方は親の見守り、何から始める?にあります。

今日できること

まずは、次に親と話すときに「今日は誰かと話した?」と軽く聞いてみてください。「話した」なら誰と、「話してない」なら最後に話したのはいつかを聞くだけで、実態がつかめます。

その答えを手がかりに、今週中に3つのうち1つを試してみましょう。電話の時間を決める、地域包括支援センターに電話して集まりを聞く、毎日の声かけを試す。どれか1つで十分です。1か月ほど続けて、親の様子が変わるか、家族の負担が増えていないかを見てから、次の入口を足してください。

FAQよくある質問

親が「話し相手は要らない」と言います。無理に勧めるべきですか?
無理に勧める必要はありません。話し相手を増やすことが目的ではなく、親が気持ちよく過ごせることが目的です。まず家族との短い電話を続けながら、親が興味を示した話題から入口を探してみてください。
毎日電話したほうがいいですか?
長い電話を毎日する必要はありません。「夕飯のあとに2〜3分」のように、短くても決まった時間にするほうが、親にとっても家族にとっても続きやすくなります。
親が人付き合いを嫌がるとき、地域の集まりは避けるべきですか?
嫌がるのに連れて行く必要はありません。見学だけ、お茶だけ、のように負担の小さい形から始められる集まりもあるので、地域包括支援センターに雰囲気を聞いてみる方法があります。
BabuuTalkは親の話し相手になりますか?
BabuuTalkは、タブレットのキャラクター「バブー」が毎日決まった時間に声をかけ、家族のLINEからの呼びかけがつながる仕組みです。家族や地域との会話の代わりではなく、会話のきっかけを毎日つくるものとして考えてください。
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