親の医療費の窓口負担、2割・3割はどう決まる?
後期高齢者医療の窓口負担が1割・2割・3割に分かれる条件と、3割から下げる申請、負担割合の確かめ方を、自治体の案内をもとに整理します。
目次
この記事の要点
- 負担割合は世帯の被保険者の所得で決まる
- 判定は毎年8月1日。途中で変わることもある
- 親の資格確認書で、今の割合をまず確かめる
実家の親宛てに届いた書類を見て、「窓口負担が2割と書いてある。去年は1割だったはず」と気づく。そんなとき、何が変わったのか、これから増えるのか、家族として知っておきたくなります。
この記事では、75歳以上の親が入る後期高齢者医療で、窓口負担が1割・2割・3割に分かれる決まり方を整理します。結論から言うと、負担割合は、親本人ではなく「同じ世帯の被保険者の所得」で決まります。見るべき書類は、親の手元に届く資格確認書です。
割合はどう決まる?
窓口負担の割合は、世帯単位で判定されます。基準日は毎年8月1日で、その時点で使う所得は、前年の1月から12月までのものです。
神戸市の案内では、同じ世帯の後期高齢者医療の被保険者を並べて判定するとされています。同じ世帯にいても、後期高齢者医療以外の医療保険に入っている人は、合算の対象になりません。
出典:神戸市「後期高齢者医療制度の給付(窓口負担割合)」
つまり、親が一人暮らしなら親の所得だけで、親夫婦が同じ世帯なら二人の所得をあわせて見ます。子どもが同居していても、子が会社の健康保険に入っていれば、その人の所得は判定に入りません。
1割・2割・3割の条件
3つの割合の分かれ目は、住民税の課税所得です。2割にはもう一つ、年金収入などの条件が加わります。
神戸市の案内では、1割は住民税非課税の世帯か、課税所得が28万円未満などの場合です。2割は、課税所得が28万円以上145万円未満の人がいて、「年金収入+その他の合計所得金額」が、被保険者1人なら200万円以上、2人以上なら合計320万円以上の場合です。
3割は、同じ世帯に課税所得145万円以上の人がいる場合で、現役並み所得者と呼ばれます。数字はいずれも神戸市の同じ案内にある基準で、制度の見直しで変わることもあります。
1割
課税所得が低い世帯
- 世帯
- 住民税非課税の世帯も含む
- 見る点
- 課税所得
2割
課税所得が中くらいの世帯
- 加えて
- 年金収入などの合計が基準以上
- 見る点
- 課税所得と年金収入
3割
課税所得が高い人がいる世帯
- 呼び名
- 現役並み所得者
- 見る点
- 世帯に1人でもいれば
神戸市の案内をもとに整理しました。細かい条件は市区町村の窓口で確認できます
親がどの区分にいるかを、家族が自分で計算して当てる必要はありません。判定は市区町村や広域連合が行い、結果は書類に書かれます。家族が知っておくのは、「どこを見て決まるのか」と「結果をどこで確かめるのか」です。
3割から下げる申請
課税所得が145万円以上でも、収入が一定の額に満たない場合は、申請によって1割または2割になる仕組みがあります。ここは、知らないままだと損をしやすい部分です。基準は神戸市の案内にあります。
神戸市の案内では、被保険者が1人の場合、前年の収入が383万円未満であれば対象になります。同じ世帯に70歳以上75歳未満の人がいるときは、その人も含めた収入の合計が520万円未満であれば対象です。被保険者が2人以上の場合は、世帯の被保険者の収入の合計が520万円未満が目安とされています。
出典:神戸市「後期高齢者医療制度の給付(窓口負担割合)」
大田区の案内では、区が収入を確認できれば申請書は不要で、確認できない場合に申請書が届くとされています。届いた場合は、確定申告の写しなどを添えて返送します。申請した月の翌月から、割合が変わるとされています。
出典:大田区「後期高齢者医療の窓口負担割合」
親の割合の確かめ方
親の今の負担割合は、資格確認書に書かれています。新宿区の案内では、資格確認書には、自己負担の割合と有効期限が載るとされています。
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資格確認書を探す
親の財布や、保険証の置き場所を見ます。マイナ保険証を使っている親でも、資格確認書や「資格情報のお知らせ」が届いていることがあります。
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割合の欄を読む
1割・2割・3割のどれが書かれているかを確認します。有効期限も一緒に写真に撮っておくと、遠くからでも見返せます。
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昨年と比べる
昨年の書類が残っていれば見比べます。割合が上がっていたら、その理由を窓口で聞けます。
新宿区の案内では、令和8年8月からは、85歳以上の人は全員に資格確認書が交付されるとされています。84歳以下の人は、マイナ保険証を普段から使っている場合は「資格情報のお知らせ」、使っていない場合は資格確認書が交付されます。
出典:新宿区「後期高齢者医療制度の資格確認書について」
変わる時期と書類
負担割合は、毎年8月1日に判定し直されます。さらに、年度の途中で世帯の構成が変わったときや、所得が見直されたときにも、判定し直されることがあります。
たとえば、夫婦で同じ世帯だった親の一方が亡くなると、世帯の被保険者が1人になり、判定の見方が変わります。引っ越しや世帯の分離でも変わりえます。そうした出来事のあとは、割合も確認してみてください。
新宿区の案内では、割合が変わると、有効期限内でも新しい資格確認書が交付されるとされています。古いものを使い続けると、医療費の追加納付や払い戻しの手続きが必要になることがあります。
家族で決めておくこと
書類を確かめるだけでなく、次の3つを家族で決めておくと、あとが楽になります。
- 書類の置き場所 資格確認書、介護保険の書類、診察券を、まとめて置く場所を親と決めます
- 届いたときの連絡 市区町村から封筒が届いたら、中を見る前でも写真で送ってもらうよう頼みます
- 有効期限の確認日 毎年7月末ごろに、新しい書類が届いているかを確かめる日を決めます
介護が始まっている場合は、医療費だけでなく介護サービスの自己負担も関わってきます。毎月の介護サービス費の上限は、親の介護の自己負担が重い。高額介護サービス費で戻るお金と申請の進め方で整理しています。介護保険料の通知の読み方は、親に届いた介護保険料の通知、どこを見ればいい?が参考になります。
離れていても見守る
書類の確認は、一度で終わりません。毎年8月に判定が変わり、7月末に期限が来ます。家族が離れて暮らしていると、いつのまにか古い書類のままになりがちです。
BabuuTalk は、実家に置いたタブレットに、家族の LINE から書いた予定や伝言を表示できます。「7月末までに新しい保険の書類が届いているか確認」のような予定を、親の「今日の予定」に出しておく使い方もできます。
Android端末(タブレットや使っていないスマホ)があればアプリは無料です。続けて使うなら、画面の大きいタブレットが見やすいです。サービスの内容はトップページから確認できます。
今日できること
最後に、今日から動けることを整理します。
| やること | 内容 |
|---|---|
| 割合を聞く | 親に資格確認書の割合を聞く |
| 書類を撮る | 割合と期限の欄を写真に撮る |
| 窓口を知る | 市区町村の国保年金の窓口を調べる |
割合が思っていたより高く、判定の中身に納得できないときは、お住まいの市区町村の国保年金の担当窓口に聞きます。個別の所得の判定は、市区町村や後期高齢者医療広域連合が行うので、家族が計算しなくて大丈夫です。
どこに相談すればよいか分からないときは、親の介護、最初の相談先は?遠方の家族が電話する前にに窓口の探し方をまとめています。親が入院したときの動き方は、親が入院、遠方で付き添えない。家族が先にすることと病院への伝え方も参考になります。