親に届いた介護保険料の通知、どこを見ればいい?

65歳以上の親に届く介護保険料の通知書。年金天引きと納付書の違い、仮徴収と本徴収、届く時期、離れて暮らす家族が確認する順番を、自治体と厚生労働省の案内で整理します。

公開 読了 約5分 執筆 株式会社BabuuTalk

居間のテーブルで、届いた通知書を読む高齢の母親と、のぞき込む子ども夫婦
目次

この記事の要点

  • 65歳以上の保険料は、年金天引きか納付書かで納め方が決まる
  • 通知書は「年額」と「納め方」の2か所から見る
  • 親の通知書は、写真かテレビ電話で一緒に確認する

実家の郵便物の中に、「介護保険料」と書かれた封筒を見つけたことはありませんか。金額も納期も書いてあり、親が読み切れているかどうか、離れていると分かりません。この記事では、65歳以上の親に届く通知書の見方と、家族が確認する順番を整理します。

結論から言うと、見るのは年額と納め方の2か所です。納め方は年金天引きか納付書で決まり、天引きなら時期によって金額が変わって見えることがあります。親の手元にある通知書を、写真かテレビ電話で一緒に見るところから始めてみてください。

実家の玄関脇で、棚の上に重ねた郵便物から1通を手に取って読む高齢の父親と、見守る家族
実家の郵便物。親が読んだつもりでも、家族が一度確認すると安心です

保険料を払う人と納め方

介護保険の被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と、40歳から64歳の医療保険加入者である第2号被保険者に分かれます。厚生労働省「介護保険制度の概要」では、第1号の保険料は市町村が徴収し、第2号は医療保険者が医療保険の保険料と一緒に徴収すると整理されています。

親の通知書の話は、このうち第1号の保険料です。第1号の納め方は2通りで、自分では選べません。

65歳以上の保険料の納め方。条件は自治体の案内に基づきます
納め方 対象の目安
年金天引き 年金が一定額以上
納付書・口座振替 年金が一定額未満など

柏市の案内では、年金の年額が18万円以上の人は年金からの天引き(特別徴収)で、18万円未満の人や特別徴収にできない分は、納付書か口座振替(普通徴収)で納めるとされています。世田谷区の案内も同じ条件で、被保険者が選択することはできないと書かれています。

通知書で見る2か所

通知書は、細かい表や計算の欄がたくさんあり、どこから読めばいいか迷います。家族が最初に確認するのは次の2つだけで十分です。

  • 年額: その年度の保険料の合計です。納め方が違っても、1年分の合計は変わりません
  • 納め方: 年金天引きか、納付書か口座振替か。納付書なら、納期の一覧も通知書に載っています

通知書の種類は、納め方で変わります。柏市の例では、年金天引きの人には「介護保険料額決定通知書」が例年6月下旬に、納付書の人には「納入通知書」と年度分の納付書が例年6月中旬に届きます。時期や名前は自治体で違うので、親の住む市区町村の案内で確かめてください。

天引きの金額が変わる訳

年金天引きの親から、「去年と引かれる額が違う」と言われることがあります。これは仕組みによるもので、間違いとは限りません。

年金天引きの保険料の流れを、仮の額の天引き、年額の通知書、残りを3回に分けて天引き、1年分が済むの4段階で示した図解
天引きは前半と後半で額が変わることがあります(柏市の例)

年間の保険料は、前年の所得をもとに決まります。ところが決まるのは年度の途中です。そのため年度の前半は、前の年度の最後の天引き額と同じ額を、仮に天引きします。これが仮徴収です。

柏市の案内では、4月・6月・8月が仮徴収で、2月の天引き額と同じ額が引かれます。10月・12月・翌年2月の本徴収では、年額から仮徴収の分を引いた残りを、3回に分けて天引きするとされています。前半と後半で額が違って見えるのは、この残りを分けているからです。

納付書が届くとき

年金天引きのはずなのに納付書が届いた場合も、まず落ち着いて通知書を見ます。柏市の案内では、年度の途中で65歳になった人や転入した人は、準備が整うまで半年から1年ほど、納付書での納付になります。保険料の額が変わったときに、一時的に納付書の分が出ることもあります。

年金を担保にした借入れや、年金の繰り下げをしている場合も、天引きにならず納付書で納めるとされています。つまり、納付書が届いたこと自体は、異常ではありません。

気をつけたい場面

実家に納付書の束が届いたとき、親が「まだ先だから」としまい込んでしまうことがあります。次の2点だけ、帰省や電話のときに見てください。

  • 納期の一覧: 納期限がいつか。柏市の例では、納期は6月から翌年3月までの毎月末です
  • 口座振替の有無: 振替にしておけば、納め忘れの心配が減ります。手続きは窓口で案内してもらえます

今の金額と全国の目安

親の保険料が高いのか低いのか、気になる方も多いと思います。保険料は市町村ごとに決まるので、比べる目安として、全国の平均を知っておくと役に立ちます。

厚生労働省の発表では、令和6〜8年度(第9期)の第1号保険料の全国平均は月額6,225円で、前の期の6,014円から上がりました(出典:厚生労働省「第9期計画期間における介護保険の第1号保険料について」、令和6年5月発表)。平均は目安であり、実際の額は親の住む市町村と、所得の段階で決まります。

親と一緒に確認する

キッチンのカウンターで、スマートフォンのテレビ電話で両親と話しながら、ノートにメモを取る娘
通知書は、テレビ電話で見せてもらいながら確認できます

通知書の確認は、親の暮らしを聞くきっかけにもなります。「これ、届いてた?」と電話で聞くだけでも、郵便物をためていないか、読めているかが分かります。

ほかにも、見ておきたいことがあります。

  • 通知書の置き場所: 引き出しなど、決まった場所があるか
  • 読める状態か: 小さい字が読みづらくなっていないか
  • 心当たりのない請求: 通知書でないものや、不審な連絡が混じっていないか。気になるときは詐欺電話の備えも参考にしてください

BabuuTalkは、実家に置いたタブレットと家族のLINEをつなぎ、家族が書いた伝言をタブレットの掲示板に大きく出せる仕組みです。「次の電話で、介護保険の通知書を一緒に見よう」と送っておくと、親も当日の準備ができます。テレビ電話中は話した言葉が字幕で画面に出るので、耳が遠い親にも通知書の説明が伝わりやすくなります。

BabuuTalkのタブレット画面。家族からのお知らせが大きく出ていて、下に「わかった」ボタンがある
実家のタブレットの画面。LINEで送った一言が、掲示板に大きく届きます

電話をかけても出ないときは、親が電話に出ないときの確認の順番を見てください。

次にすること

最初の一歩は小さく決めておくと続けられます。

  1. 次の電話で、通知書の置き場所を聞く。 見つかったら、年額と納め方の2か所を、写真かテレビ電話で見せてもらいます
  2. 読めない箇所は、通知書にある窓口へ電話する。 通知書の表紙に、市区町村の介護保険の担当窓口が載っています。親の代わりに家族が聞いても構いません
  3. 相談先が決まっていなければ、地域包括支援センターを調べておきます。保険料の話だけでなく、介護の相談の入口になります

この先、介護が必要になったときに保険料の知識はそのまま役立ちます。要支援と要介護の違いも、あわせて読んでおくと安心です。

FAQよくある質問

年金から天引きされているのに、納付書も届きました。二重払いですか?
年度の途中で天引きと納付書を併用することがあります。合計が年間の保険料額になり、二重払いにはなりません。納付書の金額が合っているかは、通知書の年額と天引き済みの額を見比べて確認し、分からなければ市区町村の介護保険の窓口に聞いてください。
納め方は、親が選べますか?
65歳以上の保険料は、年金の額などの条件で納め方が決まり、本人が選ぶことはできません。納付書の場合に、口座振替へ切り替えられる自治体が多いので、窓口で確認できます。
親が通知書をなくしてしまいました。
市区町村の介護保険の窓口で、再発行や内容の照会ができます。親の被保険者証と本人確認の書類を用意して、本人か家族が相談してください。窓口の手続きは自治体ごとに違うので、先に電話で聞いておくと確実です。
親が入院や施設入所で、保険料の通知が読めない状態です。
通知書を読んで対応する人を、家族の中で決めておくと安心です。納付書や口座振替の手続きは、窓口で家族が相談できる場合があります。まず地域包括支援センターか市区町村の窓口に、状況を伝えてください。
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