親の補聴器、どこで相談する?家族が付き添えないときの進め方

補聴器は先に耳鼻咽喉科、次に調整できる販売店の順。助成や医療費控除の注意点と、遠方で付き添えない家族の動き方を公的情報で整理します。

公開 読了 約5分 執筆 株式会社BabuuTalk

居間のテーブルで、耳に手を添えて娘の話を聞く高齢の母親
目次

この記事の要点

  • 相談の順番は、耳鼻咽喉科、販売店、買ったあとの調整
  • 助成は買う前の申請が原則。先に買うと対象外になりうる
  • 付き添えなくても、予約と書類の確認は家族が支えられる

「テレビの音が大きい」「何度も聞き返される」。遠く離れた親にそんな変化を感じても、補聴器をどこで相談すればいいのかは意外と分かりにくいものです。しかも、診察や店に付き添えない家族は多いはずです。

先に結論を書きます。相談の順番は「耳鼻咽喉科で調べる、販売店で調整してもらう、買ったあとも通う」の3段階です。この記事では、それぞれの窓口の役割、買う前に確認しておきたい助成と医療費控除、遠方から家族ができる支え方を整理します。

実家の居間でテレビの音量を上げる母親を、台所の入口から心配そうに見ている娘
「最近、テレビの音が大きい」と気づく場面から、相談は始まります

最初の相談先は耳鼻咽喉科

聞こえにくさの原因は、年齢による変化だけではありません。耳の病気が隠れていることもあるため、消費者庁は補聴器の購入前に専門医へ相談することをすすめています。まず向かう先は、販売店ではなく耳鼻咽喉科です。

どの病院でもよいわけではなく、探すときの目印が「補聴器相談医」です。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が定める講習を修了し、学会から委嘱された医師を指します。滋賀県の案内でも、補聴器が必要かどうかの診察は補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科で受ける流れが示されています。

耳鼻咽喉科の診察室で、付き添いの娘と一緒に医師の話を聞く高齢の母親
診察では、聞こえの検査をしたうえで、補聴器が必要かどうかを医師が判断します

4つの窓口の役割

補聴器の話には、耳鼻咽喉科のほかに販売店、市区町村、税務署が登場します。それぞれ答えてくれることが違うので、迷ったら次の表のどこの話なのかを分けて考えてください。

「補聴器が必要か」を決めるのは医師、「合わせる」のは販売店の役割です
窓口 主な役割
耳鼻咽喉科 聞こえを調べ、必要かを判断
補聴器販売店 機種を選び、音を調整
市区町村の窓口 助成の条件と順番を案内
税務署 医療費控除の取り扱い

買う前に、順番を確認

流れを図にすると、次のようになります。大切なのは2番目の「買う前に確認」です。ここを飛ばして先に買うと、あとから使えたはずの制度が使えなくなることがあります。

補聴器を買うまでの4つの順番を示す図解。耳鼻咽喉科で調べる、買う前に確認、専門店で相談、買ったあとも通う
4つの順番。買う前の確認が、ふだん抜けやすい2番目です

市区町村の助成

高齢者の補聴器購入を助成する自治体があります。たとえば仙台市の案内では、購入前の申請が条件で、購入後の申請は受け付けないと明記されています。

申請には医師意見書と販売店の見積書が要る自治体が多く、医師意見書の作成費用は自己負担とされる例があります。条件や書類は自治体ごとに違うので、親の住む市区町村の窓口かホームページで確認します。

医療費控除

補聴器の購入費は、医師が診療に直接必要と認めた場合に医療費控除の対象になりえます。国税庁は、その証明に補聴器適合に関する診療情報提供書を用いる取り扱いを示しています。

この書類は診察のときに医師へ依頼するものなので、買ってから頼むのでは間に合いません。診察の予約の段階で「診療情報提供書も書いてもらえますか」と一言聞いておくと、手戻りを防げます。税務の個別の判断は税務署にご相談ください。

障害の認定がある場合

聴力の程度によっては、身体障害者手帳の対象となり、補装具費の支給が受けられる場合があります。これは耳鼻咽喉科の診察や市区町村の障害福祉の窓口で案内されるものです。助成の対象かどうかも、診察のときにあわせて確認するのが近道です。

販売店はどう選ぶ?

診察で補聴器が必要と分かったら、次は販売店です。補聴器は管理医療機器で、買って終わりではなく、耳に合わせる調整が効果を左右します。消費者庁も、認定補聴器技能者のように専門の知識と技術をもつ人に調整を頼むことをすすめています。

認定補聴器技能者は、公益財団法人テクノエイド協会が認定する資格です。認定補聴器技能者が常勤し、調整の設備もそろう店は「認定補聴器専門店」と呼ばれます。自治体によっては、助成の条件にこの資格を求めるところもあります。

店頭の購入では、金額にかかわらず基本的にクーリング・オフが適用されないと、消費者庁が注意を呼びかけています。その場で契約せず、見積書を持ち帰ってから家族と相談する。親にはこれを前もって伝えておくと安心です。

付き添えないときの進め方

遠方で同行できなくても、家族ができることはあります。当日の診察は本人でも、準備で差がつくからです。予約、聞きたいこと、持ち物の3つを、家族が先にまとめておくのがお勧めです。

  1. 予約を取るか、取り方を伝える

    近くの補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科を一緒に探し、予約の日時を親に伝えます。電話が苦手な親なら、家族が代わりに予約を入れる方法もあります。

  2. 聞きたいことをメモにする

    「補聴器は必要か」「助成や控除の書類は書いてもらえるか」「診療情報提供書は出るか」を書いたメモを持たせます。

  3. 診察後に電話で結果を聞く

    その日の夜に電話やテレビ電話で、医師から言われたことを一緒に整理します。親の記憶があいまいなうちに、書類の有無も確認します。

通院の日は、前日に伝えても忘れてしまうことがあります。BabuuTalk なら、LINE から書いた予定や伝言が実家のタブレットの「今日の予定」に出るので、診察の日時や持ち物を当日の朝に目に入る場所へ届けられます。

BabuuTalkの画面に、今日の予定として時刻と予定が大きく表示され、「わかった」「呼ぶ」のボタンが並んでいる
実家のタブレットの画面。家族がLINEから書いた予定が、当日の朝にこの形で表示されます

買ったあとの調整

補聴器は、買った日がゴールではありません。耳が音に慣れるまでの間、聞こえ方に合わせて販売店で何度か調整してもらうのが普通です。購入後のアフターケアと定期点検が大切だと、滋賀県も案内しています。

調整の間は、補聴器をつけていても聞き取りにくい場面が残ることがあります。そんなときテレビ電話では、BabuuTalk の自動字幕が助けになります。通話中に話した言葉が画面に文字で出るので、聞こえにくい言葉も文字で確認できます。

居間で、手のひらにのせた補聴器を見ながら娘と話す高齢の母親
慣れるまでの時間は、家族の「どう?」という声かけが支えになります

親が「つけると疲れる」「やっぱり外した」と言い出したら、使うのをやめる合図ではなく、販売店に調整を相談する合図です。聞こえの急な変化や、片耳だけの聞こえにくさがあるときは、様子を見ずに耳鼻咽喉科への相談を勧めてください。

今日、親に聞いてみること

次の電話で、補聴器そのものの話をする必要はありません。まずは「最近、聞こえにくい場面はある?」とだけ聞いて、親の気持ちを確かめてください。

そのうえで、「検査だけ受けてみない?」と誘い、近所に補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科があるか、一緒に調べます。助成については、自治体の高齢者見守り事業の調べ方と同じ要領で、親の住む市区町村のホームページを見てみてください。

聞こえの変化は、親が電話に出ないときや、テレビ電話の声が聞こえにくいときの原因にもなりえます。次の帰省の前に、親の聞こえの様子をメモしておくところから始めてみてください。

FAQよくある質問

補聴器は、まず販売店に行けばいいですか?
消費者庁は、購入前に専門医へ相談することをすすめています。耳の病気が隠れていることもあるので、先に耳鼻咽喉科で聞こえを調べ、そのあとに販売店で相談する順番が安心です。
補聴器相談医とは何ですか?
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が定める講習を修了し、学会から委嘱された医師です。滋賀県の案内でも、補聴器が必要かどうかの診察はこの医師のいる耳鼻咽喉科で受けるよう示されています。
買ってしまったあとでも、助成や医療費控除は使えますか?
助成は購入前の申請が条件の自治体が多く、購入後は受け付けないところもあります。医療費控除は医師の診療情報提供書が要件になるため、買う前にかかりつけの耳鼻咽喉科で確認してください。税務の個別の判断は税務署にご相談ください。
親が「まだ要らない」と言うときはどうしますか?
説得せず、まず「検査だけ受けてみない?」と誘ってみてください。補聴器を買うかどうかは、検査の結果を聞いてから本人が決めれば間に合います。
診察や店への付き添いは、家族の同行は欠かせませんか?
必須ではありません。予約の日時、聞きたいこと、持ち物のメモを家族が用意しておけば、本人だけでも話を進めやすくなります。結果は電話やテレビ電話で一緒に聞く方法もあります。
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