親が同じ話を繰り返す。家族が最初にできること

親が同じ話や質問を繰り返すのに気づいたとき、家族がやってしまいがちなNG対応、電話でもできる返し方、記録の取り方、地域包括支援センターへの相談の始め方をまとめます。

公開 読了 約5分 執筆 株式会社BabuuTalk

台所で電話をしながらメモを取る女性。奥では実家の両親と息子が笑っている
目次

この記事の要点

  • 同じ話や質問を繰り返す背景には、記憶障害や不安など複数の原因が重なっていることが多く、この記事だけで原因を決めつけることはできない
  • 電話越しでは、否定せず毎回はじめて聞くように答え、事実と違ってもその場では正さず、自然に話題を変えるのが基本
  • 「いつから、何を、何回」を書きとめておくと、気のせいかどうかを家族で判断しやすくなる
  • 気になる変化が続くなら、本人抜きでも地域包括支援センターに相談できる

実家に電話をかけたら、前にもした話をまた聞かされた。今日も、この間と同じ質問をされた。そんな瞬間に、「年のせいかな」と流していいのか、心配したほうがいいのか、判断がつかずに不安になる方は多いと思います。

この記事では、同じ話が増える主な理由と、電話越しでもできる返し方、「いつから、何を、何回」を書きとめておく方法、そして地域包括支援センターへの相談の始め方までを順番に整理します。この記事は診断をするものではありません。 気になる変化に早く気づき、相談への一歩を踏み出せるようにすることが目的です。

なぜ同じ話を繰り返すのか

同じ話や質問を繰り返す背景には、いくつかの原因が重なっていることが多いとされます。自分がすでに話したことを覚えていないために、本人にとっては「はじめて話している」つもりであることが多く、わざと繰り返しているわけではありません。不安な気持ちを紛らわせるために、安心できる話題を繰り返し口にすることもあります。

疲れや環境の変化、体調不良で一時的に物忘れが増えることもあるため、繰り返しが増えたからといって、この記事だけで原因を決めつけることはできません。大切なのは原因を自己判断することではなく、変化に気づいた時点で記録を始め、早めに相談できる窓口につなげることです。

やりがちなNG対応

繰り返しに気づくと、とっさに「さっきも言ったよ」と正したくなったり、内容が事実と違うと感じて頭から否定したくなったりします。ですが本人には「繰り返している」という自覚がないため、指摘や否定は「何か責められた」という不安だけが残りやすく、話し合いそのものを避けられてしまう原因にもなります。

とっさにやってしまいがち

NG対応

  1. 「さっきも言ったよ」と正す
  2. 事実と違うと頭から否定する
  3. 面倒に思って聞き流す

気持ちに寄り添う対応

望ましい対応

  • 初めて聞くように相づちを打つ
  • 否定せず、話題をそっと変える
  • 「そうなんだね」と受け止める

繰り返しへの対応は、正すことより受け止めることが先になります

聞き流すのも避けたい対応の一つです。本人は「ちゃんと聞いてもらえた」という感覚を求めて話していることが多く、聞き流された感覚が積み重なると、かえって同じ話を繰り返す回数が増えることもあります。

電話でもできる返し方

同居していれば表情や声の調子で加減できますが、電話だと声だけが頼りになります。離れて暮らす家族が電話でもできる対応を3つ挙げます。

  1. 毎回、はじめて聞くように答える

    同じ質問でも、「そうだったんだね」「知らなかった」と、初めて聞いたときと同じ調子で答えます。表情が見えない分、声のトーンだけで安心感を伝えられるので、電話ではこの一言がとくに効きます。

  2. 事実と違っても、その場で正さない

    内容が事実と食い違っていても、電話越しに正すと、本人は自分の話を否定されたとしか受け取れません。明らかな間違いは、あとで別の話題として穏やかに触れる程度にとどめます。

  3. 自然に次の話題へ移す

    「そういえば、来週の○○はどうする?」のように、関連する別の話題に水を向けると、無理なく会話を切り替えられます。電話を切る前に、次に話す日をさりげなく決めておくのも有効です。

ソファで笑顔でスマートフォンを耳に当て、相づちを打ちながら話を聞いている女性
急かさず、初めて聞くときと同じ調子で相づちを打つだけでも、本人の安心感は変わります

「いつから、何回」を書きとめる

その場でどう返すかを教えてくれる情報は多くありますが、電話でしか様子が分からない家族にとって本当に難しいのは、「今日がたまたまなのか、続いているのか」を自分だけでは判断できないことです。判断材料になるのは記憶ではなく記録です。

電話を切ったあとに、次の3つだけをメモに残してください。いつ(日付と、電話か対面か)、何の話を何回(同じ話や質問が何回出たか)、いつ頃から増えたと感じるか、の3点です。長い記録をつける必要はなく、スマートフォンのメモでも、カレンダーへの一言でも構いません。

きょうだいや配偶者がいるなら、このメモを共有しておくと、「自分の電話のときだけ多い」のか「誰と話しても同じ」なのかが見えてきます。1人が抱えている違和感より、複数人の記録が重なったときのほうが、相談すべきタイミングだと判断しやすくなります。親が電話に出ない。心配なときに確認する順番で触れた毎日の接点の作り方も、変化に気づく土台として役立ちます。

テーブルを囲み、家族がそれぞれのスマートフォンのメモを見せ合いながら話している
電話で気づいたことを、家族の間で持ち寄って確認するだけでも状況が見えてきます

ここまでの流れをまとめると、次の4段階になります。

「気づいてから相談までの4つの段階」を示す図解。気づく、書きとめる、家族で共有する、相談する、の4段階が矢印でつながっている
1段階ずつで大丈夫です。今日は気づいたことをメモするところから始めてみてください

地域包括支援センターへ、相談する

記録が増えてきて「これは相談したほうがいい」と感じたら、まず向かう先は病院ではなく、実家の地域を担当する「地域包括支援センター」です。厚生労働省「認知症に関する相談窓口」は、困ったときや心配なことがあるときは、住んでいるまちの地域包括支援センターに相談するよう案内しています。

地域包括支援センターは、本人が受診に同意していなくても、家族だけで相談できる窓口です。中央区「おとしより相談センター(地域包括支援センター)では、どのような内容の相談ができますか」では、高齢者本人だけでなく、その家族からの相談にも対応すると説明されています。

担当の地域包括支援センターは、自治体名と「地域包括支援センター」で検索すると調べられます。相談するときは、前の章で書きとめた「いつから」「何を」「何回」のメモをそのまま伝えるだけで十分です。職員が、かかりつけ医への受診が必要かどうかや、本人への切り出し方まで一緒に考えてくれます。

もし本人の様子がある日から急に分からなくなった、家を出たまま戻れなくなったといった状況まで進んだ場合は、認知症の親が行方不明に。家族がまずすることの順番も合わせて読んでおくと、いざというときに慌てずに済みます。

BabuuTalkは、こう考える

BabuuTalkは、タブレットの中のキャラクター「バブー」が毎日決まった時間に声をかけ、家族がLINEから呼びかけると本人が画面に触れるだけで通話がつながる、会話型の見守りです。日々の短いやりとりが積み重なることで、「先月はこんな話はしていなかったな」という比較の土台が、離れて暮らしていても自然にできていきます。

BabuuTalkを表示したタブレット端末。左に今日の予定と日付、右に孫の写真、下に「わかった」と「呼ぶ」のボタン
実家に置いたときの画面。決まった時間の声かけが、日々の様子を知る接点になります

はっきりさせておくと、BabuuTalkは同じ話の繰り返しを検知したり、認知症の可能性を判定したりする機能は持っていません。 あくまで毎日の接点をつくる仕組みであり、気づいた変化をどう受け止め、どこに相談するかは、この記事で挙げた手順を家族自身で進める必要があります。見守りの選び方全体は親の見守り、何から始める?でも整理しています。

今日、家族で決めること

今日からできることを1つ挙げるなら、次に実家と話したときに気づいたことを、その場でスマートフォンのメモに残すことです。1回分のメモだけでは判断できませんが、2回、3回と重なったときに初めて、「気のせいではなかった」と気づけます。気づいたら、抱え込まずに地域包括支援センターへ、まず電話をかけてみてください。

FAQよくある質問

同じ話を繰り返すのは、認知症のサインですか?
加齢による物忘れや、疲れ・環境の変化で一時的に増えることもあります。この記事は診断をするものではありません。気になる状態が続くなら、地域包括支援センターやかかりつけ医に相談することをおすすめします。
電話越しでも記録は取れますか?
はい。通話中にメモを取るか、電話を切ったあとに「いつ、何の話を、何回」を書き留めるだけで十分です。きょうだいがいれば同じメモを共有しておくと、変化に気づきやすくなります。
本人に「病院に行こう」とすぐ言っていいですか?
焦って伝えると、本人の不安や反発を強めることがあります。まず家族だけで地域包括支援センターに相談し、本人への伝え方まで含めて考えてから切り出す方法もあります。
BabuuTalkは認知症を見つけてくれますか?
いいえ。BabuuTalkは毎日の声かけとやりとりの仕組みで、症状の判定や診断はできません。ただし、日々の短い会話が積み重なることで、家族が変化に気づきやすくなる面はあります。
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