民生委員に親の見守りを頼むには?
遠方に住む親の見守りを、民生委員や近所の人に頼むときの順番を整理します。担当の調べ方、親への切り出し方、伝える内容と伝えすぎない線引きが分かります。
目次
この記事の要点
- 民生委員は、地域の身近な相談相手
- 担当は住所で決まるので、市区町村に聞く
- 親に話してから、伝える内容を絞って頼む
離れて暮らす親について、「近所の人に、ときどき様子を見てもらえたら」と考えたことはありませんか。ただ、誰に、どう頼めばいいのかが分からず、そのままになっている方が多いはずです。
この記事では、民生委員とはどんな人か、担当をどう調べるか、親にどう切り出すか、何を伝えて何を伝えないかを整理します。結論から言うと、順番は「親に話す、担当を調べる、伝える内容を決める、結果を聞く」の4つです。
民生委員とは
民生委員は、地域で住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行う人です。厚生労働省「民生委員・児童委員について」には、厚生労働大臣から委嘱されて活動し、児童委員を兼ねていると書かれています。
大田区「民生委員児童委員」では、民生委員は「地域の身近な相談相手」とされ、相談を受けて助言し、必要なときは専門の機関へつなぎます。給与は支払われず、交通費などの活動費が支給されます。任期は3年で、再任もあります。
見守りの専門職ではない
ここは最初に押さえておきたい点です。民生委員は、介護や医療の専門職ではありません。地域の中で気づいたことを相談につなぐ、近所の相談相手に近い存在です。毎日決まった時間に訪ねてくれる人ではありません。
頼めることと頼めないことを、先に分けて考えておくと、期待のずれが起きません。
頼めること、頼めないこと
| 頼みごと | 民生委員 |
|---|---|
| 地域の相談相手 | 向いている |
| 気になる変化を伝える | 向いている |
| 専門の窓口につなぐ | 向いている |
| 毎日の安否確認 | 別の仕組み |
| 介護や医療の判断 | 別の専門職 |
世田谷区「民生委員・児童委員・主任児童委員」では、民生委員の活動は社会調査、相談、情報提供、連絡通報、調整、生活支援、意見具申の7つに分類されています。区の窓口や関係機関につなぐ役割があることも書かれています。
つまり「親が心配なので、何か気づいたら教えてください」と頼むのは自然です。一方で、毎日決まった時間の確認は、別の仕組みで足す必要があります。
頼む前に、親に話す
民生委員に連絡する前に、まず親に話します。ここを飛ばすと、いちばん困るのは親です。何も知らないところに、知らない人が「娘さんから頼まれました」と訪ねてくるからです。
切り出し方の例
「見張る」ではなく「困ったときの連絡先を増やす」と話すと、受け入れてもらいやすくなります。たとえば次のような言い方です。
- 頼む理由を話す 「遠くて、すぐに行けないのが心配なの」と、自分の気持ちとして伝える
- 選ぶのは親 「近所に相談できる人がいると安心だけど、どう思う?」と聞く
- 断ってもいい 「いやなら、やめておくよ」と先に伝えておく
親が嫌がるときは、無理に進めません。カメラのような見守りを嫌がるときの考え方は、見守りカメラを親が嫌がる。監視にならない見守りとはにもまとめています。
担当を調べる
民生委員は、住所ごとに担当が決まっています。世田谷区の案内でも、担当の委員は住所の番号で決まると説明され、分からないときは区の窓口に問い合わせます。大田区でも、担当者を知りたいときは福祉の担当課に聞く案内です。
実家の市区町村のホームページや電話で、実家の住所を伝えて「担当の民生委員を教えてください」と聞きます。部署の名前は自治体ごとに違います。迷ったときは、地域包括支援センターに電話して、案内を頼む方法もあります。
自治体の見守りの仕組みをあわせて知りたいときは、自治体の高齢者見守り事業、実家にもある?調べ方が参考になります。
伝える内容を決める
担当が分かったら、電話の前に伝える内容を決めます。多く伝えるほど良いわけではありません。必要なものに絞ります。
伝えておくとよいこと
- 家族の連絡先 気づいたときに連絡をもらうための電話番号
- 心配していること 「最近、電話に出ないことが増えた」など、事実だけを短く
- 親の了解 親が承知していて、訪問を了解していること
伝えなくてよいこと
病名、預貯金、家の鍵の場所のような細かい情報は、頼みごとに必要ありません。民生委員には守秘義務があり、大田区の案内では退任後も秘密を守る義務が続くとされていますが、それでも渡す情報は最小限にします。
鍵の預け先を決めたいときは、民生委員ではなく、信頼できる親族や近所の人と別に相談するのが安全です。
頼んだあとのこと
頼んで終わりではありません。民生委員が訪ねたあと、様子を聞かせてもらえるか、もらえるならどんな形かを、最初の電話で確認しておきます。連絡の頻度は決めすぎず、「気になることがあれば」と頼むのがちょうどいいです。
同じ頃に、親に「どなたか来た?」と聞いてみます。訪問が親の負担になっていないかを確かめるためです。
近所の人に頼むときも同じ
隣の家の人や、昔からの知人にお願いするときも、順番は同じです。先に親に話し、頼む内容を絞り、お礼の連絡を忘れません。何かあったときに電話をかけてもらえる関係を、無理のない形で作ります。
毎日の声かけは別の仕組みで
地域の目と、毎日の確認は、役割が違います。民生委員や近所の人は、「いつもと違う」と気づいたときに力になってくれる存在です。毎日の安否まで頼むのは、相手の負担が大きすぎます。
BabuuTalkは、毎日の声かけに親が応えたかどうかが、家族のLINEに通知される仕組みです。家族がLINEから送った一言は、実家のタブレットに大きく表示されます。
地域の相談相手は民生委員、毎日の声かけは家族の仕組み、というように役割を分けると、誰にも負担が偏りません。Android端末(タブレットや使っていないスマホ)があればアプリは無料で、続けて使うならタブレットが見やすいです。詳しくはトップページをご覧ください。親が電話に出ないときの順番は、親が電話に出ない。心配なときに確認する順番にあります。
今日、親に一言聞く
最後に、今日できることを2つ挙げます。
- 親に「近所に相談できる人がいたら、安心だと思う?」と聞く。 頼む話をする前の、小さな一言で十分です
- 実家の市区町村の福祉の窓口に、担当の民生委員を聞く。 親の了解が得られたあとで、住所を伝えて問い合わせます
親が前向きでなければ、今回は見送って構いません。親の気持ちが動くのを待つのも、見守りの大事な一部です。