75歳以上の免許更新、何が変わる?家族が確認すること

警察庁の検討会が示した75歳以上の運転技能検査の見直し(方向変換の追加など)を一次資料から整理し、今年の更新への影響と、家族が今できることを説明します。

公開 読了 約5分 執筆 株式会社BabuuTalk

玄関先で更新のはがきを手にする高齢の父親と、心配そうにのぞき込む娘
目次

この記事の要点

  • 警察庁の有識者検討会が2026年8月、75歳以上の運転技能検査に「方向変換」を加える方向性を示した
  • まだ報告書の段階で、施行の時期やどの更新から対象になるかは発表時点では決まっていない
  • 検査に通らないと更新できない仕組み自体は変わらないため、通らなかった場合の移動手段を今のうちに考えておくと安心
  • 家族ができるのは、続報を待つことではなく、更新のタイミングと運転をやめた後の暮らしを先に話しておくこと

2026年9月時点の情報です。制度の詳細は一次情報でご確認ください。

実家に運転免許の更新通知が届く時期になると、「今年も大丈夫だろうか」と気になる家族は少なくないと思います。2026年8月、警察庁の有識者検討会が、75歳以上を対象にした運転技能検査の内容を見直す方向性をまとめた報告書を公表しました。「方向変換」という新しい課題が加わる可能性があり、ニュースにもなっています。

先に結論を書きます。今回示されたのは「方向性」であり、実施の時期はまだ決まっていません。検査に通らないと更新できないという仕組み自体はこれまでと同じです。家族が今できるのは、続報を待つことではなく、更新のタイミングと、万一検査に通らなかったときの暮らし方を先に話しておくことです。

何が変わるのか

2026年8月24日、警察庁の「運転技能検査の見直しに関する有識者検討会」が報告書をまとめました。示された方向性は主に3つです。運転技能検査の課題に「方向変換」を追加すること、減点項目に「安全不確認」を追加すること、「一時不停止(大)」の減点基準を引き上げることです。警察庁「運転技能検査の内容の充実に係る方向性等に関する報告書」にまとめられています。

「方向変換」は、ハンドルを切りながら後退して停止し、今度は逆にハンドルを切って前進する、駐車の動きを模した課題です。アクセルとブレーキを正しく踏み分けられているかを、後方や側方への注意配分と合わせて確認するねらいがあります。

新しく加わる検査課題「方向変換」の動きを示す図解。1.ハンドルを切る(後ろ向きに下がる) 2.止まって切り返す(逆に切って止める) 3.前に進む(駐車の動きを再現)
「方向変換」は、複数の運転操作を同時に行う場面で、ペダルを正しく踏めているかを確認する課題です

現行の検査と、報告書が示した方向性を比べると、変わる点は次の3つに整理できます。

値は警察庁「運転技能検査の内容の充実に係る方向性等に関する報告書」(2026年8月)による。具体的な減点点数や施行日は今後決まります
検査の項目 現在方向性(今後)
実施する課題 一時停止など5項目「方向変換」を追加
減点する場面 安全不確認は無し「安全不確認」を追加
一時不停止(大) 現行の基準のまま引き上げる方向

これらはまだ「報告書」の段階です。実施には道路交通法施行規則の改正が必要で、警察庁は発表時点で具体的な施行日を示していません。報道では2027年中の実施を見込むとも伝えられていますが、確定した日程ではないため、実家の次の更新がいつから対象になるかは、今後の続報を確認する必要があります。

今の運転技能検査の仕組み

対象になる人

運転技能検査の対象は、更新期間が満了する日に75歳以上で、かつ過去3年以内に信号無視や通行区分違反、踏切不停止など、将来交通事故を起こす危険性が高いとされる一定の違反歴がある人です。違反歴が無ければ、75歳以上でも運転技能検査は受けず、認知機能検査と高齢者講習だけで更新できます。警察庁「運転技能検査について」で対象になる違反の種類を確認できます。

検査の内容と合格基準

検査は一時停止、右左折、信号通過、段差の乗り上げなど、実際にコースを走って行います。100点からの減点方式で採点され、合格の基準は70点以上です(第二種免許は80点以上)。今回の見直しは、この内容と採点基準に手を加えるものです。

なぜ厳しくなるのか

見直しの背景には、警察庁が実施した追跡調査があります。運転技能検査の合格者10万人あたりの交通事故件数は、検査の対象にならなかった75歳以上の人10万人あたりの件数と比べて2倍以上でした。警察庁「運転技能検査の内容の充実に係る方向性等に関する報告書」(2026年8月)による調査結果です。運転技能が下がっている人が、検査に通ってしまっている可能性があるということです。

死亡事故の内容を見ると、75歳以上の運転者による事故はアクセルとブレーキの踏み間違いが目立ちます。同じ報告書によると、令和7年(2025年)中にペダルの踏み間違いが原因で起きた死亡事故は46件あり、そのうち31件、およそ7割が75歳以上の運転者によるものでした。方向変換という課題が加わるのは、この踏み間違いを検査で確認するためです。

運転席でシートベルトを締めようとする高齢の父親と、車の外から見守る家族
踏み間違いは、複数の操作を同時に行うときに起こりやすいとされています

今年の更新への影響

結論から言うと、今年や来年、実家の親が更新を迎えても、今のところ検査の内容は変わりません。方向変換などの新しい課題は、道路交通法施行規則が改正されたあとに適用されるもので、発表時点ではその時期も、どの更新から対象になるかも示されていません。「次の更新はいつからか」を気にするより、今の基準で更新できるかどうかを先に確認しておくほうが実用的です。

家族が今できること

通知が届いたら

更新のお知らせは、更新期間が満了する日の6か月前までに届きます。75歳以上は認知機能検査と高齢者講習の受講が、対象者はさらに運転技能検査の受検が必要になるため、案内が届いたら早めに予約したほうが安心です。運転技能検査を実施する教習所には限りがあり、直前だと予約が取りにくくなります。

今のうちにできること

検査の内容を親と一緒に確認しておくと、当日の不安を減らせます。検査に通らなかった場合にどう移動するかを、結果が出る前に話し合っておくことも大切です。バスや電車の便、家族による送迎、タクシーの利用など、実家の地域で使える手段を一度洗い出しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

更新のはがきを手に、キッチンで実家に電話をかける娘。奥の部屋には両親の姿
更新の通知が届いたら、検査の予約状況や体調を、電話で一度確認しておくと安心です

見守りにできること、できないこと

運転をやめると、外に出る回数が減り、家にいる時間が長くなることがあります。とくに一人暮らしの親の場合、日中の様子が分かりにくくなったと感じる家族もいます。BabuuTalkのような会話型の見守りが役に立つのは、運転をやめた後の暮らしの部分です。免許の更新や検査そのものには関係しません。

スタンドに立てた見守りタブレットの全体。画面は今日の予定と孫の写真の2分割
実家に置いた端末が、毎日決まった時間に声をかけます。運転をやめて家にいる時間が増えたときの、日々の接点の一つです

はっきりさせておくと、BabuuTalkは運転技能検査の合否には関わりませんし、運転を続けさせる・やめさせるという判断もしません。できるのは、毎日決まった時間のやり取りで、応答があるかどうかを家族が知れるようにすることだけです。運転をやめたあと、外出が減って生活リズムが変わっていないかを知る手がかりにはなりますが、それ以上の判断は家族と本人でする必要があります。

日々の見守りの始め方は親の見守り、何から始める?で、電話に出ないときの確認の順番は親が電話に出ない。心配なときに確認する順番で扱っています。

今日、実家に聞いておくこと

検査の結果が出てから移動手段を考えるのではなく、今日、更新のタイミングと、通らなかった場合にどうするかを親と話しておいてください。「免許をどうするか」ではなく「次の更新で何をするか」から聞くと、話を切り出しやすくなります。通知が届く前に一度確認しておけば、実際に検査を受ける日になって慌てずに済みます。

FAQよくある質問

今回の見直しはいつから始まりますか?
2026年8月の報告書は方向性を示した段階で、施行の日は決まっていません。実施には道路交通法施行規則の改正が必要で、報道では2027年中の実施を見込むとも伝えられていますが、警察庁が発表時点で確定した日程を示しているわけではありません。
今年や来年更新を迎える親は対象になりますか?
現時点では、一時停止・右左折・信号通過・段差の乗り上げなど、現行の内容で運転技能検査を受けることになります。方向変換などの新しい課題は規則改正後の話で、どの更新から対象になるかは発表時点では示されていません。
運転技能検査に通らなかったら、免許はどうなりますか?
運転技能検査に合格しないと、免許証等の更新を受けることができません。検査の結果を待ってから移動手段を考えるのではなく、通らなかった場合にどうするかを先に家族で話しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
対象になる「一定の違反歴」とは、具体的に何ですか?
信号無視、通行区分違反、踏切不停止など、将来交通事故を起こす危険性が高いとされる違反行為です。更新期間が満了する日に75歳以上で、かつ過去3年以内にこうした違反をした人が運転技能検査の対象になります。
BabuuTalkのような見守りは、この件に関係ありますか?
運転技能検査の合否や、運転を続ける・やめるという判断には関わりません。ただ、運転をやめて家にいる時間が増えたとき、毎日の様子が家族に伝わる仕組みがあると、生活リズムの変化に気づきやすくなります。
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