緊急通報装置と見守りサービス、何が違う?

自治体の緊急通報装置と、カメラ・センサー・会話型の見守りサービスの違いを仕組みと申し込み条件から整理し、両方を組み合わせる考え方を紹介します。

公開 読了 約5分 執筆 株式会社BabuuTalk

廊下の椅子に腰掛けて休む高齢の女性。玄関から午後の光が差し込んでいる
目次

この記事の要点

  • 緊急通報装置の基本はペンダント型のボタンを押すこと。押せない状況では働かない機種もある
  • 見守りサービス全般(カメラ・センサー・会話型)とは役割が違う。前者は「今」の異変、後者は「毎日」の変化を知るためのもの
  • 自治体の緊急通報装置には年齢や世帯構成の対象条件があり、申し込みが要る
  • 2つは代わりではなく組み合わせるもの。BabuuTalkは毎日の会話型で、通報や駆けつけの機能は無い

実家の親に何かあったときのために、緊急通報装置を検討したことがある方は多いと思います。同時に見守りカメラや会話型のタブレットといった「見守りサービス」もよく見かけ、どちらを選べばいいのか、あるいは両方要るのか迷うところだと思います。

先に結論を書きます。緊急通報装置と見守りサービスは、そもそも役に立つ場面が違います。 緊急通報装置は「今」起きた異変を伝えるための手段で、見守りサービスは日々のちょっとした変化に気づくための手段です。この記事では、緊急通報装置の実際の仕組みと申し込み条件、見守りサービスとの違いを整理し、両方を組み合わせる考え方を紹介します。

緊急通報装置の仕組み

緊急通報装置と聞くと、何かあったときに自動で助けが来る機械だとイメージする方が多いのですが、実際の仕組みはもう少し限定的です。

多くの自治体や事業者が提供している基本の形は、ペンダント型の送信機のボタンを押すと、コールセンターにつながるというものです。浴室でも使えるよう防水になっている機種が一般的で、通報を受けたコールセンターの担当者が本人と会話し、必要に応じて救急要請や家族への連絡を行います。

オプションとして、人感センサーを組み合わせ、一定時間動きが無い場合に自動で知らせる機種や、火災を検知するセンサーを追加できる場合もあります。ただしこれは基本機能ではなく、機種や契約内容によって付くかどうかが変わります。

多くは押して知らせる

ここで見落とされがちなのが、基本のペンダント型は「本人がボタンを押せること」が前提になっている点です。倒れて意識を失った場合や、押す力が入らない状態では、この基本機能は働きません。

これは、親が電話に出ない。心配なときに確認する順番で触れた「電話は本人が気づいて出ることを前提にする」という構造と同じです。緊急通報装置も、押すという1つの行動を本人に求めている点では変わりません。

自動で異変を知らせたい場合は、人感センサー連動のオプションが付いた機種を選ぶ必要があります。導入を検討するときは、「基本のボタン型か、センサー連動もあるか」を最初に確認してください。 ここを確認せずに「緊急通報装置を付けたから安心」と思い込んでしまうケースが少なくありません。

見守りサービスとの違い

緊急通報装置は「今起きたこと」を伝える手段ですが、見守りサービス全般はもう少し広い範囲をカバーします。代表的な3つのタイプを、目的と前提条件で比べます。

緊急通報装置

ボタンで異変をコールセンターへ伝える

前提条件
本人が押せること(センサー連動なら一部自動)
分かること
ボタンを押した瞬間の緊急事態
向く場面
転倒や急病など、今すぐ助けが要るとき

センサー型見守り

生活の痕跡から変化を知らせる

前提条件
本人の操作は不要
分かること
ドアの開閉や電気の使用量など生活リズムの変化
向く場面
日々の生活パターンから異変を察知したいとき

会話型見守り

毎日の会話の様子を家族に届ける

前提条件
本人の操作は不要
分かること
会話に反応したかどうか、声の調子
向く場面
孤立を防ぎ、日々の様子を知りたいとき

緊急時に備えるものと、毎日の変化に気づくものは役割が違います

こうして並べると、緊急通報装置だけでは「今日、変わったことは無かったか」までは分かりません。 逆に、見守りサービスだけでは「今この瞬間に倒れている」ことをその場で伝える手段にはなりません。

自治体と民間、条件の違い

緊急通報装置は、大きく自治体の福祉事業として提供されるものと、警備会社などが提供する民間サービスとして提供されるものがあります。

自治体の緊急通報装置事業は、ひとり暮らしの高齢者や、高齢者のみの世帯といった対象条件を設けているのが一般的です。年齢や世帯構成のほか、自治体によっては疾病の有無を条件にする場合もあります。申し込みには市区町村の高齢福祉の窓口への相談が必要で、職員や委託業者が自宅を訪問して設置する流れが一般的です。自己負担は低く抑えられていることが多いですが、条件や負担の内容は自治体ごとに違うため、実家の市区町村に直接確認するのが確実です。

民間の緊急通報サービスは対象条件が無く、誰でも契約できるのが特徴です。健康相談や熱中症への注意喚起など、通報以外の機能が付いている場合もあります。

  1. 対象条件を確認する

    実家の市区町村のホームページで「緊急通報装置」「緊急通報システム」と検索するか、高齢福祉の窓口に電話して、年齢や世帯構成の条件を確認します。

  2. 窓口に申し込む

    条件に当てはまれば、窓口で申し込みます。多くの自治体では、離れて暮らす家族が代理で相談することもできます。

  3. 設置と説明を受ける

    職員か委託業者が自宅を訪問し、ペンダント型の送信機を設置します。押し方や、コールセンターにつながったときの流れをその場で確認しておきます。

娘がリビングでタブレットの画面越しに、離れて暮らす母の顔を見ながら話している場面
緊急通報装置とは別に、毎日の様子を知る手段も必要になります

2つは組み合わせて使う

ここまでの内容をまとめると、緊急通報装置と見守りサービスは代わりに使うものではなく、役割の違う2つを組み合わせるのが現実的です。

毎日の会話

会話型の見守りで、今日も反応があったかを確認

異変に気づく

普段と違う様子や、反応が無い日が続く

ボタンを押す

倒れた・体調が急に悪いときは緊急通報装置で連絡

家族へ連絡

コールセンターが状況を確認し、必要なら救急要請

毎日の変化に気づく層と、今の異変を伝える層は別に用意します

BabuuTalkは、このうち毎日の会話にあたります。実家に置いたタブレットに毎朝キャラクターが声をかけ、その反応が家族のLINEに届きます。本人が画面を触らなくても声かけと通話が成立するので、スマホが使えない親との連絡手段、どう選ぶ?で比較した会話型にあたります。

BabuuTalkのタブレット画面。大きく表示された時刻と日付、下に「呼ぶ」ボタン
実家に置いたタブレットの画面。呼び出すと、本人が操作しなくても通話がつながります

一方で、できないこともはっきり書いておきます。 BabuuTalkは転倒や急な体調不良を検知する機器ではなく、通報や駆けつけのサービスでもありません。できるのは「今日も声が返ってきた」「今日は反応が無かった」という日々の情報を家族に届けることまでです。今すぐ助けが要る場面への備えは、この記事で紹介した緊急通報装置や、センサー型の機器と別に用意してください。

今日、実家に確認すること

最後に、今日中にできることを2つ挙げます。

  1. 実家の市区町村に、緊急通報装置の対象条件を確認する。 ひとり暮らしかどうか、年齢の条件を満たすかを調べるだけでも、次に何をすればいいかが分かります
  2. 今使っている(あるいは検討している)機器が、ボタン型かセンサー連動か調べる。 「押せなかったら意味が無い」という前提を、一度確認しておくだけで安心の中身が変わります

緊急通報装置は「今」を守るもの、見守りサービスは「毎日」を支えるもの。どちらか一方で全部をカバーしようとせず、2つの役割を分けて考えることが、結果的に一番現実的な備え方です。

FAQよくある質問

緊急通報装置があれば見守りサービスは要らない?
要らないとは言えません。緊急通報装置は「今」起きた異変を伝える手段で、話す機会が減った、様子がいつもと違うといった日々の変化には気づけません。役割が違うので、組み合わせて考えたほうが安心です。
ボタンを押せない状態でも通報される?
機種によります。ペンダント型の基本機能は本人がボタンを押すことが前提です。人感センサーと連動したタイプなら、一定時間動きが無い場合に自動で知らせる機種もありますが、すべての機種にあるわけではないので、申し込む前に確認してください。
自治体の緊急通報装置は誰でも使える?
多くの自治体では、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯といった条件があります。条件や申し込み方法は自治体ごとに違うので、実家の市区町村の高齢福祉の窓口に確認してください。
BabuuTalkは緊急通報の代わりになりますか?
なりません。BabuuTalkは毎日の会話で「今日も反応があった」ことを届ける仕組みで、転倒や急な体調不良を検知したり、通報・駆けつけをする機能はありません。緊急時への備えは、緊急通報装置やセンサー型の機器と別に用意してください。
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