緊急通報装置と見守りサービス、何が違う?
自治体の緊急通報装置と、カメラ・センサー・会話型の見守りサービスの違いを仕組みと申し込み条件から整理し、両方を組み合わせる考え方を紹介します。
目次
この記事の要点
- 緊急通報装置の基本はペンダント型のボタンを押すこと。押せない状況では働かない機種もある
- 見守りサービス全般(カメラ・センサー・会話型)とは役割が違う。前者は「今」の異変、後者は「毎日」の変化を知るためのもの
- 自治体の緊急通報装置には年齢や世帯構成の対象条件があり、申し込みが要る
- 2つは代わりではなく組み合わせるもの。BabuuTalkは毎日の会話型で、通報や駆けつけの機能は無い
実家の親に何かあったときのために、緊急通報装置を検討したことがある方は多いと思います。同時に見守りカメラや会話型のタブレットといった「見守りサービス」もよく見かけ、どちらを選べばいいのか、あるいは両方要るのか迷うところだと思います。
先に結論を書きます。緊急通報装置と見守りサービスは、そもそも役に立つ場面が違います。 緊急通報装置は「今」起きた異変を伝えるための手段で、見守りサービスは日々のちょっとした変化に気づくための手段です。この記事では、緊急通報装置の実際の仕組みと申し込み条件、見守りサービスとの違いを整理し、両方を組み合わせる考え方を紹介します。
緊急通報装置の仕組み
緊急通報装置と聞くと、何かあったときに自動で助けが来る機械だとイメージする方が多いのですが、実際の仕組みはもう少し限定的です。
多くの自治体や事業者が提供している基本の形は、ペンダント型の送信機のボタンを押すと、コールセンターにつながるというものです。浴室でも使えるよう防水になっている機種が一般的で、通報を受けたコールセンターの担当者が本人と会話し、必要に応じて救急要請や家族への連絡を行います。
オプションとして、人感センサーを組み合わせ、一定時間動きが無い場合に自動で知らせる機種や、火災を検知するセンサーを追加できる場合もあります。ただしこれは基本機能ではなく、機種や契約内容によって付くかどうかが変わります。
多くは押して知らせる
ここで見落とされがちなのが、基本のペンダント型は「本人がボタンを押せること」が前提になっている点です。倒れて意識を失った場合や、押す力が入らない状態では、この基本機能は働きません。
これは、親が電話に出ない。心配なときに確認する順番で触れた「電話は本人が気づいて出ることを前提にする」という構造と同じです。緊急通報装置も、押すという1つの行動を本人に求めている点では変わりません。
自動で異変を知らせたい場合は、人感センサー連動のオプションが付いた機種を選ぶ必要があります。導入を検討するときは、「基本のボタン型か、センサー連動もあるか」を最初に確認してください。 ここを確認せずに「緊急通報装置を付けたから安心」と思い込んでしまうケースが少なくありません。
見守りサービスとの違い
緊急通報装置は「今起きたこと」を伝える手段ですが、見守りサービス全般はもう少し広い範囲をカバーします。代表的な3つのタイプを、目的と前提条件で比べます。
緊急通報装置
ボタンで異変をコールセンターへ伝える
- 前提条件
- 本人が押せること(センサー連動なら一部自動)
- 分かること
- ボタンを押した瞬間の緊急事態
- 向く場面
- 転倒や急病など、今すぐ助けが要るとき
センサー型見守り
生活の痕跡から変化を知らせる
- 前提条件
- 本人の操作は不要
- 分かること
- ドアの開閉や電気の使用量など生活リズムの変化
- 向く場面
- 日々の生活パターンから異変を察知したいとき
会話型見守り
毎日の会話の様子を家族に届ける
- 前提条件
- 本人の操作は不要
- 分かること
- 会話に反応したかどうか、声の調子
- 向く場面
- 孤立を防ぎ、日々の様子を知りたいとき
緊急時に備えるものと、毎日の変化に気づくものは役割が違います
こうして並べると、緊急通報装置だけでは「今日、変わったことは無かったか」までは分かりません。 逆に、見守りサービスだけでは「今この瞬間に倒れている」ことをその場で伝える手段にはなりません。
自治体と民間、条件の違い
緊急通報装置は、大きく自治体の福祉事業として提供されるものと、警備会社などが提供する民間サービスとして提供されるものがあります。
自治体の緊急通報装置事業は、ひとり暮らしの高齢者や、高齢者のみの世帯といった対象条件を設けているのが一般的です。年齢や世帯構成のほか、自治体によっては疾病の有無を条件にする場合もあります。申し込みには市区町村の高齢福祉の窓口への相談が必要で、職員や委託業者が自宅を訪問して設置する流れが一般的です。自己負担は低く抑えられていることが多いですが、条件や負担の内容は自治体ごとに違うため、実家の市区町村に直接確認するのが確実です。
民間の緊急通報サービスは対象条件が無く、誰でも契約できるのが特徴です。健康相談や熱中症への注意喚起など、通報以外の機能が付いている場合もあります。
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対象条件を確認する
実家の市区町村のホームページで「緊急通報装置」「緊急通報システム」と検索するか、高齢福祉の窓口に電話して、年齢や世帯構成の条件を確認します。
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窓口に申し込む
条件に当てはまれば、窓口で申し込みます。多くの自治体では、離れて暮らす家族が代理で相談することもできます。
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設置と説明を受ける
職員か委託業者が自宅を訪問し、ペンダント型の送信機を設置します。押し方や、コールセンターにつながったときの流れをその場で確認しておきます。
2つは組み合わせて使う
ここまでの内容をまとめると、緊急通報装置と見守りサービスは代わりに使うものではなく、役割の違う2つを組み合わせるのが現実的です。
毎日の会話
会話型の見守りで、今日も反応があったかを確認
異変に気づく
普段と違う様子や、反応が無い日が続く
ボタンを押す
倒れた・体調が急に悪いときは緊急通報装置で連絡
家族へ連絡
コールセンターが状況を確認し、必要なら救急要請
毎日の変化に気づく層と、今の異変を伝える層は別に用意します
BabuuTalkは、このうち毎日の会話にあたります。実家に置いたタブレットに毎朝キャラクターが声をかけ、その反応が家族のLINEに届きます。本人が画面を触らなくても声かけと通話が成立するので、スマホが使えない親との連絡手段、どう選ぶ?で比較した会話型にあたります。
一方で、できないこともはっきり書いておきます。 BabuuTalkは転倒や急な体調不良を検知する機器ではなく、通報や駆けつけのサービスでもありません。できるのは「今日も声が返ってきた」「今日は反応が無かった」という日々の情報を家族に届けることまでです。今すぐ助けが要る場面への備えは、この記事で紹介した緊急通報装置や、センサー型の機器と別に用意してください。
今日、実家に確認すること
最後に、今日中にできることを2つ挙げます。
- 実家の市区町村に、緊急通報装置の対象条件を確認する。 ひとり暮らしかどうか、年齢の条件を満たすかを調べるだけでも、次に何をすればいいかが分かります
- 今使っている(あるいは検討している)機器が、ボタン型かセンサー連動か調べる。 「押せなかったら意味が無い」という前提を、一度確認しておくだけで安心の中身が変わります
緊急通報装置は「今」を守るもの、見守りサービスは「毎日」を支えるもの。どちらか一方で全部をカバーしようとせず、2つの役割を分けて考えることが、結果的に一番現実的な備え方です。